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Part1 その1

   ↑  2006/11/01 (水)  カテゴリー: ティアナの書
PART 1「Echos in the Rock」 ハードカバー3ページ~


巨大なクリスタルのような形をした音響ポッドが岩肌に突き刺さっていた。それは人が乗れるほどに大きく、そして操縦者は半透明で防音加工された円錐状の空間に押し込められていた。
そのポッドの先頭にはギルドマスターが音響機のシャフトを注意深く握ったまま、その盲目の目で正面の石を睨み聞き耳を立てている。
また、彼の傍らにいる若い二人の助手も椅子から立ち上がり、目を閉じわずかな振動も聞き逃すまいと全神経を聴覚に集中させていた。
不意に
「Na’Grenis!」
と年老いたマスター*1がドニ語で吼えた。
― もろいな!
そう言いながら彼はひざの上のマップテーブルに積み上げられた地図の一番上を左指でなぞる。
この方向に振動波を送るのはこれでもう10回目になる。毎回少しずつ波を強くし、ポッドを石に深く突き刺しながら、微妙に岩の共鳴を変化させてきたのだが・・・。
「Kenen voohee shuhteejoo」
― 岩塩層なのかもしれません。
助手の一人がためらいがちにつぶやいた。
「もしくは石灰(白亜)か・・・」
もう一人の助手がそう自信なさそうに付け加える。
「いや、こんな深さに、それはないだろう」
厳然と老人は言い切りながら、山積みになった透明なシートを次々とめくり、あるページを開く。そしてそのページを開いたまま、真っ赤なマーカーをラックから取り出し印をつけた。
「ああ・・・」
助手が同時に声を漏らす。その真っ赤な印こそマスターの意図そのものを示していた。
「よし、方向を変えてみよう。もしかしたら部分的にもろい場所なのかも知れん」
そう言いながらマーカーをラックに戻すと、マスターは美しい模様が施された音響ポッドのシャフトを握り、長い経験に培われた勘でその先を少しだけ右に移動させた。
「同じ強さでやってくれ、1パルス目は55ビートで。同じく2パルス目を」
すぐさま助手がその通りに機器を調節する。一呼吸おいて、シャフトからポッドの先端へ振動が波打った。
すると、
カーン・・・!
まるで見えない楔(くさび)が石を貫いたような、くっきりとした音が部屋に鳴り響いたのだった。


***


「奴は何をしているんだ」
そういわれて、ギルドマスター・テラニスは監視窓から目を離し客に目を向けた。
その客 ― マスター・ケドリは大きな体躯をした醜男だった。立法ギルド*2の一員であるこの男は、採掘作業の進捗を監視するためにやってきただった。
「ギルドマスター・ゲランは岩石調査をされておられるのです。岩を削る前に、その先に何があるのか知っておく必要があるので」
「それは分かっている」
ケドリはイライラしながらテラニスの言葉をさえぎった。
「しかし、何が問題だというのかね」
ケドリの無作法な言動へのいらつきを、テラニスはグッと押さえる。たとえここではテラニスの言葉が法のように強い力を持っていたとしても、それはこのギルド内だけのこと。ケドリは事実上彼よりも高い立場にあるのだから。
「正確なところは分からないのですが、ゲランが地図に書き記しているこの印を見たところ、恐らく彼は溶岩性金属で構成される岩石の区画を見つけたようですね。断層線からか、もしくは恐らく部分的に火山成分が入った場所から生じたマグマからできた玄武岩を。*3」
「それで、それのどこが問題なんだ?」
ケドリの質問にテラニスは丁寧に微笑みながら説明を続ける。
「いや、問題になるかもしれない、というだけの話です。もし単に部分的に火山成分が混じっていたというだけなら、もちろん掘削を続け、出来たトンネルを補強することが出来ます。しかし、まだ我々は極めて地下の深いエリアにいると思われるので、上の地層からの重量は相当なものなのです。(地盤の柔らかいところを削って)圧力に負けないように補強に時間をかけていたら、数ヶ月ではないにしろ数週間は予定が遅れてしまう。だから、我々は削る前にその先がどうなっているのか前もって知っておきたいのです」
ケドリはしかしなおも憮然として
「だが、私にとっては時間の無駄にしか見えないな。内側の石は相当頑丈なはずだろう?」
「ああ、確かにとても頑丈ですね。しかしそれは関係ないのです。もし、単に地上まで掘り進めるだけなら、我々だって数週間で出来ます。しかし、我々の任務はそんなことではない。永遠に使えるトンネルを作ること ― 永遠、とは行かないまでも出来るだけ永久に使えるトンネルを作ることなんです。まあ、岩次第ですけれどね*4」
ここまでの説明を聞いても、まだケドリは納得できないらしい。
「しかし、こんな風に作業が進んだり止まったりの繰り返しでは、待っている方も気がおかしくなってくる!」
そういう人もいるだろう。気がおかしくなるというのは、この仕事にあっていないということ。
しかし、ドニのギルドに属する者なら皆、こういう作業はドニ人の気質に合っているはずだとテラニスは思うのだが。
「我々は辛抱強い種族のはずではありませんか、マスター・ケドリ」
テラニスは、相手の怒りを買うかも知れないという危険を感じながらも続ける。
「辛抱強くてとことん突き詰めるという気質。あなたはこの何千世代も続いたこの我々の良さを止めてしまうおつもりなのですか?」
ケドリは曖昧に言い過ごそうとしたが、テラニスの目に挑戦的な色を認めてうなづいた。
「いや、君の言うとおりだ。許してくれ。どうやら私はここに派遣されるには不適切な人間だったらしい」
恐らく・・・・と、テラニスは思ったがあえて言わず、
「いいえ、とんでもない。すぐになれますよ、私が保障します。我々も出来るだけ頑張って、暇とは言わせないようにしますとも。*5そうだ、アトラス*6をあなたのアシスタントに付かせましょう」
その言葉を聴いて、ケドリは微笑んだ。まるでそれこそが彼が最初から欲しかったもののように。
「それは非常にありがたい。本当に、いや全く」


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2006/11/01 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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