【MYST】日本語化支援したりしなかったりとりあえずゲームMYSTの「アトラスの書」「ティアナの書」を読破したいなとか、弱気な目標に向かっていくサイト。 

スポンサーサイト

   ↑  --/--/-- (--)  カテゴリー: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

(記事編集) http://riven5th.blog81.fc2.com/?overture" target="_new

--/--/-- | Comment (-) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

12章その3

   ↑  2010/01/31 (日)  カテゴリー: アトラスの書
ゲーンを見送ると、アトラスはまっすぐ港に向かった。彼がこれから乗り込む船は、タークックという指が異常に長い、しわの多い小男の船だ。彼の息子ビリリは同じく小さいが体の引き締まった言葉少ない男だ。彼はアトラスが船に乗り込むときにちらりと彼を見たきり、その後はほとんど口を利くことがなかった。

海路通って海に出る。
船から身を乗り出すと、澄み切った透明な海が見えた。まだ島から遠くないので、海草がもつれ合って低木地帯のようになった海底の様子を見ることもできた。
このあたりに、本当ならば二つ目の小さな島があるはずだった。地図には小さいながらもはっきりとその存在が書き込まれているのだが、今ではもうそこには何も無い。
これはどういうことだろう?
この第37時代に何が起きているんだろう?
アトラスはあたりの風の匂いをかいでみた、異常に強い潮のにおいがする気がする。そういえば、湖の塩度が濃くなったという話を聞いたこともある。そのため住民達は丘の泉やこの島唯一であるゲーンのテントの裏の井戸から水を得ているようだ。

彼の背後で島がどんどん遠ざかっていく。膨らんだ帆の先を見ると、海がずっと先まで広がっていた。その先の水平線のあたりが、霞んでいた。
「あれは何?」
アトラスはその霞んだ海の辺りを指差していった。
「何って、何のことかの」
タークックは体を船から乗り出し、海の上になにかあるのか目を凝らした。
「あの霧は・・・」
老人は海のかなたをしばらく見つめた後、海上につばを吐いた。
「あれは霧じゃよ。あそこで海が終わる」
その言葉にアトラスは、顔をしかめた。
「けど、きっとあの霧の先にもなにかあるはずでしょう?」
しかしタークックは霧からほとんど目を離さないで黙っている。
再び霧に目をやると、さっきよりもずっと近くに、まるで島を取り囲む壁のように形あるバリアとなって迫っていた。
――おかしい。まるで本当にここで海が終わるようだ。

船が沖に出ると、錨を下ろしているボートが何隻か見えた。見てみると全部で7隻あり、お互いに楕円を描くように停泊している。タークックはその楕円のうち、明らかに彼らの場所と見える位置へ移動し、錨を下ろし、帆をたたんだ。
その後彼らはお互い協力して網を張って魚を採っていく。
彼らが捕っている魚は透明で鱗がぬるぬるとした魚だった。ものすごい量の魚を一度に捕る為、大漁かと思えばそうでもないらしい。というのも、食べられる部分が少なく、7・80尾使ってやっとなんとか一人分の食事となるくらいだ。しかし、魚は食用のほか、魚油としてランプなどに用いているようだ。
島民たちはこうやって魚から油を得、その他に植物の繊維から服を作って生活しているらしい。
このような燃料になる魚や服を作れる植物などを時代を記述する際に作っておくことは、その時代の住民を反映させるのに非常に有効だということを学んだのだった。

「もっと遠くまでいけるの?」
「遠くにだって?」
老人はアトラスの問いに困惑しているようだった。
「そう・・・もっと遠く、あの霧の向こうに」
タークックは彼の顔を驚いたように見つめた。その表情は硬く、そして明らかに今までとは違った反応だった。
「なぜ?」
「なぜって、見たいからだよ」
アトラスは、初めてこの老人の反応にいらつきを覚えながら答えた。
「あのあたりの海流はかなり速いですからの」
タークックはそういい、なんとかごまかそうしているようだった。
「くだらない」
ああ、そうだ、怖いんだ。何か迷信めいた恐怖を感じているに違いない。

漁の片づけをして、錨を揚げて再び帆を張って船は進み始めた。
船の間を縫うようにして進み始めると、他の船の漁師達が驚いた表情で彼らを眺めているのに気づいた。
タークックの刺すような視線を無視して船から手を出して海水に浸すと、水はわずかに温かった。明らかに、島から離れれば離れるほど海水が冷たくなっているようだ。
前方では霧の壁がどんどん迫っている。
再び水に手を浸すと、びっくりするほど冷たくなっていた。凍えそうな寒さだ。
海に目をやると、海の底は真っ暗な闇だった。まるで1マイル(約1.6km)以上のとんでもない深さの上に、ぽつんと船が浮かんでいる光景を想像し、アトラスは心臓が痛くなるような気持ちに一瞬なったが、
――馬鹿馬鹿しい。
と、そのイメージを払いのけた。
ふと帆を見ると、帆はすっかり緩んでおり、凪の状態にあるようだった。それにもかかわらず船のスピードはどんどん速くなる。どうやらそれは海流のせいらしかった。
老人とその息子はと言うと、奇妙なことに二人とも目を瞑り、船底にひざまづいて、祈っている。船はまるで何かに引っ張られるようにものすごいスピードで勝手に進んでいた。

ゆっくりと、しかし着実に霧の壁が視界いっぱいに押し迫ってくる。
船が疾走するにつれ、空気は冷たさを増して、今や痛いほどだ。眼下の海水は沸騰するかのように泡だっている。そして突然、船は真っ白な巨大な霧の壁にぶつかり、その壁に沿って平行に飛び上がった。
アトラスは、その事態に横で祈っていたタークックの腕を取り
「タークック!ねえ!なんとかしないと!」
老人は目を開きアトラスの言っている事が分からないかのように彼の顔を見た。
「なにかだって?」
「そうだよ!」
アトラスは叫び返す。あたりを見渡すと、オールを見つけて
「ほら!みんなで漕ぐんだ!ここから抜けるんだ」
しかし、タークックは頭を振るばかりだ。しかし、再び彼を恐怖に打ちのめされたままにするわけにはいかない。アトラスは老人の肩をつかみ、その体を激しく振った。
「さあ!これは命令だ、今すぐ漕ぐんだ!」
その言葉にタークックは我に返ったように、アトラスを見、頭を下げた。
「仰せのままに」

それから、タークックと、息子のビリリ、アトラスの3人で懸命に漕ぎ、なんとか急な海流に打ち勝ち、島の近くまでまで戻ってきた。
「よくやった!」
アトラスは笑いながらいい、二人を眺めた。しかし、なんとか生き残れたにもかかわらず、二人は異常に黙り込んでいた。
「どうしたの?」
老人の腕に触れようとすると、彼はアトラスの腕を振り払った。
――何がおきたんだ?僕は何か間違ったことでもしたのか?しかし、あきらめていた二人を僕が強く命令して、みんなで漕いだおかげで生き残れたんじゃないか。
「どうしたんだ?教えてよ、理由が知りたいんだ!」
タークックはちらりとアトラスの顔を見ると、再び目を伏せて
「わしらは、白霧様をだましたんじゃ・・・」
「だましたって?どういう意味なんだ?」
しかし、老人はそれ以上何も語ろうとはしなかった。
彼らはとうとうその後口を利くことなく、島に着いたのだった。船から下りる時に何とか話をしようとしたが、タークックは別れの挨拶すらしたがらない状態だった。
アトラスは混乱して頭を振った。あそこで何がおきたと言うのか。そして彼の判断の何が悪かったと言うのか。全く分からなかったが、ゲーンが戻るまでには理由を知りたかった。





=======
ペーパーバックp218~227

長い段落でした・・・・。
ここで残念なお知らせです。
1月中に12章を終わらせる予定でしたが、この段落のあまりの長さにほとんどの時間を取られました、、、
あとたった4ページなんだけど、ちょっと間に合いそうに無い。
今日はもう風呂に入って寝ないと明日の仕事に支障が出そうなんで、申し訳ないですけど今月はここまでにさせてください。


私信:
投票欄で「おかえりなさい!待ってました!」と書いてくださった方、ブログ拍手に4件も拍手を入れてくださった方、ありがとう!!!
あなた方のおかげで、がんばれそうです。
っていうか見ている人が居た事実に感動です。
来月もがんばりますよ!!

(記事編集) http://riven5th.blog81.fc2.com/blog-entry-76.html

2010/01/31 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
この次の記事 : 12章その4
この前の記事 : 12章その2

Comment

コメントを投稿する 記事: 12章その3

お気軽にコメントをぞうぞ。
非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。

  任意 : 後から修正や削除ができます。
 

Trackback

この次の記事 : 12章その4
この前の記事 : 12章その2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。