【MYST】日本語化支援したりしなかったりとりあえずゲームMYSTの「アトラスの書」「ティアナの書」を読破したいなとか、弱気な目標に向かっていくサイト。 

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第12章 その1

   ↑  2010/01/17 (日)  カテゴリー: アトラスの書
「おぼっちゃま」
アトラスは老婆の声で目が覚めた。
目をこすりながら体を起こすと、老婆が小部屋の入り口に身をかがめてこちらを眺めているのに気づいた。
「ごめんなさいね、おぼっちゃん」
そう前置きをすると、一息に続けて言う。
「ゲーン様があなた様にすぐ来るようと」
それを聞いてアトラスは頷いて立ち上がった。
軽く伸びをする。
今は何時くらいだろうか?どれくらい眠っただろう?
この時代に来てから、深く長く眠れるようになった気がする。空気のせいだろうか。
あくびを一つすると、そういえば父は待たされるのが嫌いだったのを思い出し、小屋を出た。

外に出るとゴーグルをつけ、外の風景をしばらく眺めた。その風景の中に面白みを見つけて、アトラスが一人で笑っていると後ろで声がした。
「何を笑っておられるのですか」
いつの間にいたのか侍者だった。家を出てきた時には見かけなかったので、アトラスは笑顔を引っ込めた。
「僕が笑っていたのは、ほら、あの丘。まるで半分だけ剃った頭みたいでしょ。あの真っ直ぐになくなっている木の辺りが・・・」
侍者はアトラスが指さした辺りを眺めると、うむ、と一つ頷いた。が,その顔はちっとも面白そうにない。それどころか、彼は何もなかったようにアトラスを振り返ると、
「お父様がお待ちです」とだけ言ったのだった。
アトラスは内心ため息をついた。彼がこの島に来てからもう4日も経つのに、この侍者は彼との距離を一向に縮めようとしないのだ。
「ところで名前はなんていうの?」
「私の名前ですか」
アトラスの問いに、彼は異常な狼狽を見せた。
「そう、名前。なんていうの?」
「私の名前は・・・ワンです」
「ワン?」
アトラスは笑って、
「ワンって、数字のワン?」
男は目を逸らして頷いた。
「ずっとその名前なの?」
その問いに彼はためらいつつも、頭を振り、
「親にもらった名前はコエナでしたが・・・」
「コエナ・・・」
アトラスはつぶやいた。
「そのワンっていう名前は父がつけたんだろうね」
コエナは頷く。
そうだろう。やっぱり思った通りだ。
アトラスはコエナに向き直り、まじまじと彼を眺めた。彼のその面長で素朴な顔つきは嫌いではない。そして、(以前は夜だったので気付かなかったが)容赦ない日の光に照らされて、彼の身につけている上着が実は粗い作りであることや、その服に付いているドニのシンボルが拙い作りであることが見てとれた。
「父に仕えてどれくらいになるの?」
「千日です」
それなら、まだこの時代は最近作られた方だと言うことになる。ゲーンは、せいぜい3年位前にこの時代を作ったに違いない。
しかし、それ以前はどうだったんだろう。この世界は何らかの形で存在していたのだろうか?ここにいる人達は、ゲーンが現れる前の記憶を持っているだろうか?
もしそうだとしたら、その記憶は本当の記憶なのか、それとも「記述された」記憶なのか・・・。

アトラスは今まで記述について学んだ中で、記憶については記述出来ない事を知っていた。無論、直線的に人の記憶を操作する事は、だが。
それでも、時代を作る時に、その仕組みの複雑さからかよく分からない因果関係が働き、新しく作られた時代であるにも関わらず、すでに「歴史」を持っている場合がある。もちろん、本当にあった歴史ではない。作られたばかりの時代なのだから。
それでも、その時代の住人にとっては、あたかも本当にあったことのように記憶されるのだ。彼らにとって過去は、アトラスやゲーンが自分たちの過去について感じるのと同じ感覚で、感じているに違いない。
いや、むしろゲーンはそうだと言っていた。アトラス個人としては、もはやそれが本当かは分からないのだが。

その時、甲高い声がして、アトラスはあたりをみわたした。すると、羽ばたくような音がして、大きな影が彼の頭上を通過した。それはずんぐりとした体の動物で、まるで泳ぐように空を飛んでいた。
「あれは何?」
アトラスは指さした。
「あれですか、あれは鳥です」
アトラスは「鳥」と呼ばれた動物が、長い腕を使い自分の体を引っ張るような動きで湖を旋回しているのをみた。
「面白い!あんな鳥みたことない!」
他の時代でも様々な鳥を見たが、あんなのは初めてだ。実に奇妙だ。
というのも、その体は空を飛ぶには余りにも体が重そうだし、羽根だって毛でフサフサしている。鳥と言うよりは、ネズミか何かに近い。

どういう記述をしたんだろう?そしてどうしてこんな動物を作ったんだろう?それとも作らなければならなかったのだろうか?もしも作るつもりもないのに偶然こんな鳥が出来てしまったのだとしたら?

アトラスには、ゲーンがわざとこんな生き物を作るとは思えなかった。

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2010/01/17 | Comment (-) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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