【MYST】日本語化支援したりしなかったりとりあえずゲームMYSTの「アトラスの書」「ティアナの書」を読破したいなとか、弱気な目標に向かっていくサイト。 

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アトラスの書 第11章 その2

   ↑  2010/01/13 (水)  カテゴリー: アトラスの書
ペーパーバックp198~203


侍者につれられ、アトラスは集落から離れた崖の上にある小屋に着いた。
そこで二人を迎えたのは、粗く編まれた濃い茶色のスモックを着た老婆だった。他の原住民と同じく髪はバサバサで、束のようになった灰色の毛が彼女の顔の輪郭を縁取っている。彼女は、アトラスが今まで会った中で最も年老いた人物だった。

老婆はぎこちなく礼をすると、アトラスを家の中に迎え入れた。
ためらいつつも、小屋の低い入り口をかがんで入ると、そこはきれいに片付いた温かい場所だった。強くて新鮮なハーブの香りが部屋いっぱいに広がっている。その匂いの元はすぐわかった。フライパンやポットが置いてある低い棚の上の右の壁に沿って、ハーブの小枝がたくさん吊されていたからだ。
足元は平く広げた木の板で出来ており、低い屋根は垂木と藁葺きでできているようだ。部屋の半分あたりに青い布がその先を隠すように下げられていた。

「なにか食べなさるかい?」
老婆はアトラスといるのが落ち着かない様子で尋ねた。そのドニ語は侍者のそれより原始的なもの(つまりきちんとした敬語ではない?)に聞こえた。
アトラスは頭を振り、
「ありがとう。だけどあまりお腹がすいてないのです」
と答えた。
「そう・・・」
老婆は納得したというより緊張した様子でうなづいた。その目は不安な色のまま、じっとアトラスを見つめている。
「それならもう寝なさるかい?」
「えっと・・・」
実際まだ疲れてはいなかった。
ドニでは今はまだようやく夕飯時かという位の時間だろう。しかしアトラスは自分の言動が老婆を気まずい気持ちにさせ、また自分も気まずく感じているのにきづいていた。
だから、しばらく考えた後、
「そうします。寝床に案内してもらえますか」
と答えた。
すると、老婆が一瞬何とも言えない表情をみせた。
がっかりしているのか・・・?
老婆は小さく肩をすぼめると、カーテンをめくり仕切られた小部屋を指差した。
その部屋を見てアトラスは思わず笑い出した。それは嬉しい驚きの笑いだった。というのも、そこには藁を詰めたマットレスが置いてあるだけだったからだ。
「うちみたいだ・・・」
彼はぽつりとつぶやいた。
「・・・なんとおっしゃいました?」
そう言われ、アトラスは老婆を振り返った。その目は潤んでいるようだった。
「僕が子供の頃、おばあちゃんと住んでいて、こんなマットレスで寝ていたんだ・・・。」
「だめだったかい・・・?」
「いや、違うんだ・・・そう、素晴らしいよ!」
そう言って彼は微笑んだ。なぜか老婆に礼をいいたい気分だった。するとその瞬間、アトラスは気づいた。そういえばいつもアナは彼に料理を振る舞う時に嬉しそうだったことを。
「やっぱり寝るのは止めていいかな・・・つまり、ご飯にしたいんだけど」
すると、老婆の顔がパッと明るくなり初めて笑顔をみせた。
「もちろん!じゃあスープとパンを持ってきますからね」
「いいね!」
「じゃあ待っていてくださいませよ、おぼっちゃま」

そう言って出て行く老婆を見送りながらアトラスはなんだか急に気持ちが楽に感じて、心地よいハーブの香りを胸いっぱい吸い込んだ。
そして膝をつくと、ナップサックとノートを部屋の隅に置き、上着を脱いでサックに入れた。再び立ち上がった時、ちょうど老婆が手に木製のお盆を持って戻ってきた。その上には、スープが入った陶器のお椀と木製のスプーン、そして茶色いパンが半切れ載っている。
アトラスはお盆を受け取り膝にのせると、老婆に笑いかけながらパンをちょっとだけちぎってスープに浸した。
そしてしばらくの間、彼は黙ってその簡素な夕食を楽しんだ。やがて食べ終えると、顔を上げ老婆を見た。
「おいしかったかい?」
その彫りの深い顔に心配そうな色が浮かんでいる。
アトラスはにこっと笑って言った。
「おいしかったよ!僕が今まで食べた中で一番おいしかった!」
実際は、「今まで」というのがいつから今までのことなのか分からなかったが、嘘ではなかった。すばらしい食事だった。彼の人生で今まで食べた中で最もおいしいスープだった・・・アナのスープを除いて、だが。
彼のこの言葉は、老婆の顔にわずかながら春の日のような明るさをもたらした。
「もっと飲みたいかい?」
「いいの?」
老婆はこの短いやり取りで、まるでドニの財宝を手に入れたような喜びを感じて満面の笑みを浮かべた。そして、急いで台所に戻るとすぐにスープのおかわりとパンをもう一切れ持ってきた。
「どうぞ」
そう言ってアトラスに持ってきた食事を差し出し、彼がそれを食べている間その様子を目を細めて嬉しそうに眺めていた。
「育ち盛りなんだからねえ!しっかり食べなくちゃ!」

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2010/01/13 | Comment (-) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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