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アトラスの書 第11章 前半

   ↑  2007/04/22 (日)  カテゴリー: アトラスの書
<<<アトラスの書>>> 第11章 前半 HC:135~141

「ここはどこ?」
 アトラスは、「接続」してきたこの洞窟の暗さに目を瞬かせながら尋ねた。ゲーンはそんなアトラスを追い越し、洞窟の奥にあるくぼみの方まで歩みながら、
「最近作った時代の一つだ」
と答えながら、浅い箱を取り出した。その中には、ドニへの接続書が入っている。少し開いて中身を確かめると、箱を穴の中に隠した。
「第37時代だ」
「ふーん・・・」
そうアトラスはつぶやいた。というのも、その第37時代という言葉から何も感じることが出来なかったからだ。個人的に、自分だったらちょっとだけ時間をかけて折角作った時代に何か幻想的な・・・もしくはちょっとロマンチックな名前でも考えるのにと思うのだが、ゲーンにはそんな考えは浮かばないらしい。
 父と一緒に色んな時代を旅するようになって3年の月日が経つ。しかし一度として彼が自分の造った時代に名前をつけたことなどなかった。いつも決まって番号なのだ。

 洞窟から外に出ると、そこは夜だった。空には月が二つ。一つは白く、もう一つは赤い。そして島の中央には大きな湖があるのが見えた。湖面は静かに、二つの月を映している。その美しい風景にアトラスは息を呑み、と同時にゲーンは一体どういう言葉を使って、こんな世界を作ったのだろうと思ってしまうのだった。あの丘の形、そしてその下の岩についても一つ一つ書いているんだろうか。あそこにある森は自然に生えてきたものなのか、それともゲーンが特別に作り出したものなのだろうかと様々な疑問がわいてくる。空気は澄んでいて、そして様々な生物・植物の豊かな匂いに溢れていた。
「本当に綺麗な世界だね」
と、ついアトラスがつぶやいた。しかし、ゲーンはまるで価値のない物のように、
「こんな時代なんかより、もっと良い仕事をしているものなどたくさんある」
と吐き捨てた。
「ある意味、一番の失敗作だ。この時代を作る時、なるべくシンプルにと心がけてきたが、おかげで単純になり過ぎたかも知れない」
 そういいながらもさっさと歩いていくゲーンを、アトラスは懸命に追いかけた。思えばこの3年父の作った時代をじっくりと見るという機会はほとんどなかった。それに、まだ自分で時代を作るということすらしていない。けれども、それでも単なる言葉がこんなにも生き生きとした、確かなリアリティーを生み出せるということへの驚きが無くなる事はなかったのだった。

しばらく道を歩いていくと、草原の先の遠くにぽつりぽつりと背の低い長方形型の家のようなものが並んでいるのが見えた。それを見て
「人が住んでいるの?」
とアトラスは驚き思わず尋ねた。
「そうだが、期待するなよ。この時代の人間は、まだ原始的で荒削りな所が多い。なんとか釣りと初歩的な農業は生み出したようだが、文化と呼べるものはまだまだ・・・」
 ゲーンの言葉にもかかわらず、アトラスは彼らにあってみたい気がしてウキウキとした気分になっていた。というのも、ゲーンは今までいくつか彼の作った時代についての仕事に加えてくれることはあったが、その中には今まで一度も人が済んでいる時代はなかったからだ。
 しばらく歩いていくと、突然村から約100メートルほど離れた場所で人の叫び声が聞こえた。誰かが、アトラスたちの存在に気づいたらしい。すると今度はざわざわとしたどよめきが聞こえ、なにやら騒ぎが広がっているようだった。その様子に、ゲーンがアトラスを手で制し、止まるように指示した。
「もしかして、危険な状態に・・?」
「いや、落ち着け、アトラス。ただ何が起こるか見ていろ。見ていれば良い」
 言われるままに黙って見ていると、10人かそこらの背の高い人影がトーチを掲げながらこちらへ向かってくるのが見えた。そして、彼らは10歩ほどの距離のところで立ち止まり、突然頭を垂れ、ゲーンの前へひざまずいたのだった。そして、彼らのうちの一人、最も背が高い男が立ち上がり歩み寄ると頭を下げ、そして黄色い花で作られた冠を差し出し、同時にいくつかくだけたドニ語で話しかけてきた。
「ようこそいらっしゃいました、主よ。お屋敷の用意は出来ております」
 ゆらめくトーチの灯にてらされた、その男の服を見てアトラスは目を見張った。それは粗い作りではあるが、まさにドニのギルド特有の服であるギルドクロークを模したものそのものだったからだ。
「よし」
 そういいながら、ゲーンは頭を下げ、男は持ってきた冠を彼の頭に載せた。
「村人を集めろ。すぐに言っておきたい事がある」
「仰せのままに!」
と、侍者であるらしいその男は答えた。その時彼がちらりとアトラスのほうを興味深そうに見たのにアトラスは気づいた。
「さあ、案内しろ」

 彼らは特徴のある小屋に細い路地を進んでいった。それぞれの小屋は背が低く、そして急角度の藁葺き屋根を持ち、木で出来た壁で出来ている。巨大な岩山の上を削って、そこに家を建てているようで、家と家の間はつり橋でつながれているようだった。そのつり橋を揺らして進んでいくと、やがて湖の傍に出た。下りていくと、そこは港のような場所になっている。そこには10隻ほどの釣り船と思われる船が停泊していた。
 その港に、男、女、そして子供も含めた大勢の人たちが集まっていた。彼らは皮膚の色が薄く、がっしりとした体つきで、こげ茶色のスモックを着た明らかに人間と思われる様相をしていた。彼らの髪は一様に明るい色で、まるで釘のような感じで、麦わらを連想させた。
 他にも村からも続々と人が集まり、5・600人の大群衆になった。その人たちを前にし、ゲーンが話し始めた。
「第37時代の人々よ。ここにいるのはわが息子、アトラスだ。これからしばらくの間ここに滞在することにした。その間、私と同様の敬意を持って彼を扱え」
 アトラスはゲーンの言葉に驚き、父の顔を見つめた。こんなことを言っているのを見たのは初めてだったからだ。そんなアトラスの様子にも構わず、ゲーンは続けた。
「彼が欲しがるものは何でも与え、頼むことは何でもやれ。分かったか」
「仰せのままに」
200人の群集が声を合わせてそう答えた。
「よし!」
 ゲーンはそういうと、厳格な趣で手を挙げ、群衆を解散させた。そして
「こい、アトラス。中へ」
と、命令したのだった。
 連れられ中に入った、大きな小屋の中の様相は、驚くほど見慣れたものだった。というのも、この部屋のインテリアはドニの屋敷のいくつかで見かけた礼拝堂を模して作られていたからだ。三方の壁には、印をかたどったタペストリーがかけらていた。その精巧な絹のタペストリーは、恐らくドニからここへ持ってきたものなのではないかと思う。そのほかにも、この時代の人々の文明にそぐわない、明らかにドニから持ってきたと思われる品々が並べられていた。そして部屋の大部分を占めるのは、ゲーンの書斎にあるものと同じ位の大きさの木の机だった。
 辺りを見回して、アトラスはゲーンを見上げた。父は面白いものを見るように彼を眺めていた。
「どうしてお前をここに連れてきたか知りたいだろう?」
 アトラスは戸惑いながらもうなづく。すると、ゲーンは本の山の中から一冊の薄い本を取り出した。
「お前をここに連れてきた理由は、本当は色々あるんだが、一番の理由は以前お前がした時代の創造についての質問に答えるためだ。お前の理論的な知識をより膨らませたいのだ。そのために、このノートをやるから、ここへお前がこの時代について観察したことを書いていけ」
 そういって、ノートを手渡した。
「そして、ここで色々な物事を経験して欲しい、偏見を持たずにだ。自分の目で、我々がどれほどの畏敬をこの時代で受けているか見るんだ」
「畏敬?」
「そうだ。我々は神ではないのに、彼らは我々に対し畏敬の念を持つべきなのか?彼らの命の天秤を握っているのは、彼ら自身か、それとも俺たちか?もしも俺が本の白いページに記さなければ、彼らはここに存在できただろうか?」
 そこまで言って、一呼吸置くと、ゲーンは続けた。
「とにかくここにしばらく滞在して、この時代を観察し、何が可能かということを見ろ。お前が将来自分の時代を書くときに役に立つだろう。そして、滞在中は、ここの原住民の一人と暮らすのだ。数年前に夫に先立たれた老婆だ。礼儀正しく、しかし距離を置いて彼女とは付き合え。いいな」
「わかりました」
「よし。さあ行け。俺の侍者が外にいる。お前の家へ案内してくれるだろう」

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