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アトラスの書 10章前編

   ↑  2007/01/21 (日)  カテゴリー: アトラスの書
<<<アトラスの書 10章前半>>> HC121ページ~

 さて、話はドニの街を探索した日から2週間後。そして、ちょうどアトラスが裂け目を出発して3ヶ月くらい経とうかと言う頃だった。なので、アトラスはゲーンが「約束」を忘れてしまったのかと不安に感じ始めていた。そんな時、アトラスのそんな気持ちには全く気づいていないゲーンがいつに無く笑顔で彼に話しかけてきたのだった。
「用意は良いか、アトラス」
「用意?」
「作業を始める用意だ。とうとう『記述の仕方』を学ぶ時が来たんだぞ」
 そういって、彼は息子をある部屋へと連れて行った。それは広くて、どこか密閉感のある部屋だ。壁に沿って乱雑に本が積み重ねられており、部屋の中心には大きな机が奇妙な形をしたランプの光に照らし出されている。そしてその机に向かい合うように小さめの机が置かれていた。
 ゲーンはアトラスを椅子に座らせると、引き出しから先日ドニの街で見つけてきた大きな羽ペンとこげ茶色のインクが入ったポットが入ったトレーを取り出した。そしてそのトレーを置くと、今度は革装丁の厚いh本を引っ張り出し、表紙をめくり、最初のページを開いた。
 その開かれたページは真っ白だった。
 ゲーンはそこまでの準備が終わると、アトラスを見上げた。彼の薄い色の目がじっとアトラスの顔を見つめている。
「さて、6週間掛けてドニ語を書き写してきた中で、ドニ語の複雑さ、そして美しさを見出してきたと思うが、こうした言葉は実は何らかの意味を持っているのだ、アトラスよ。そう、お前が最初に理解した以上の意味を持っているのだ。しかしそれはこの世界のなかだけのことではない。こうした言葉は、何万年も掛けてあるひとつの仕事を成し遂げるために開発された言葉なのだ。一つの仕事・・・つまり、時代を書き記すこと、そう、他の世界を作り上げるという仕事のために作られた言葉なのだ。ドニ語は、我々が普段話している言葉や、他の単なる書物に書かれている言葉とも違う。記述の技は、いや、ドニの記述という技術は単なる芸術などではない、科学なのだ。正確な記述によって起こす科学なのだ」
 そして、空白のページを見ながら続ける。
「最初は、この通り何も無い。まだ時代が作られていない状態だ。しかし、ひとたび最初の文字が書き込まれた途端に、つまり時代の最初の性質をあらわす文字が書き込まれた途端に、新しく作られた時代への接続、つまりその時代への架け橋が繋がるわけだ」
 アトラスは、顔をしかめ
「その架け橋というのはどこへ繋がるものなの?」
「どこへでも」
 そう答えながら、ゲーンはインクポットの蓋を外す。
「それをドニ語で『Terakh Jeruth』という。無限の可能性を持つ大いなる木、とな」
 アトラスは笑って、
「まるで魔法だ!」
 というと、
「そうだとも。しかし、それは我々がドニ人だから、この秘密を共有することができるのだ。いいか、俺たちは普通の人間なんかじゃないのだ、アトラスよ。我々は神なのだ」
「え!?」
 突然のこの言葉にアトラスは面食らい、ゲーンの顔を見返した。そのゲーンの瞳にはアトラスがこれまでに目にしたことが無いような情熱に満ちた炎が燃えたぎっていた。
「普通の人間は夢を見るが、その夢はやがて覚める。しかし、我々はその夢を現実のものとすることができるのだ。多少の制約はある、それはドニの偉人たちが何万年も掛けて取り決めたことなのだが、それでも我々はほぼ何でも創造することができるのだ。言葉によって世界を作り上げることが出来るのだ」
 ゲーンの現実離れした話の数々に、アトラスは呆然としてしまった。ゲーンはそんなアトラスの様子を見て笑うと、インクポットをトレーから取り出し、
「さあ、何が見える、アトラス」
 と尋ねた。その、アナからよく聞かれていた口癖に内心驚きながらも答える。
「インク・・・?」
「そう、しかしこれはただのインクではない。普通のインクが持たない特別な力を持ったインクだ。同じく、この本もそうだ。かつてギルド内で秘伝とされた技を持って作られた紙で出来ている」
「ペンは?これも特別なものなの?」
 アトラスの問いにゲーンは微笑んで、
「いや、これはただのペンだ。しかし、ドニの血を持たない者がこれらのペンや紙を手に入れても時代を作ることは出来ない。ドニの血筋無しでは、不可能なのだ」
 そういって、ペンにインクをつけあるドニ文字を書いた。それは、「島」という単語であることにアトラスは気づいた。そして続けてサラサラと何文字か書き記した後、ゲーンは筆をおいてアトラスのほうへ顔を向けた。
「終わったの?」
 あまりのあっけなさに拍子抜けしたように尋ねると、ゲーンは笑って
「ある世界が生まれはしたが、まだまだもっとも粗野な状態だ。きちんとした時代を作るにはこれから膨大な作業が必要なのだ。その作業には、ある特別な形式や、従うべき法則がある。さっき言ったように、これは芸術なんてものではなく、正確な記述によって行われる科学なのだ」
 そう話しながら、積み重ねられた本の山の中から小さめの本を取り出しアトラスに手渡した。
「そして、ひとたび時代の構築が終了したら、必ず接続書(Linking Book)を作らなければならない。必ずな」
 手渡された本を開くと、そこには驚くほど少ししかかかれておらず、残りは空白のページが続くばかりだった。
「そして新しく作った時代へ接続する時には、必ずこの接続書を持っていかなくてはいけない。さもなければ、永遠にその時代へ閉じ込められてしまうことになる」
 つまり、この後の会話などを要約すると本には「記述書(Descriptive Book)」と「接続書(Linking Book)」の二種類があり、時代についての詳細な記述がされている(=時代を作るための本)のが記述書で、その記述書に書かれた時代の特定の場所に飛ぶことだけの機能を持っているのが接続書ということらしい。なので接続書は記述書に比べると圧倒的に書いてある文字数が少ない。
 ウェブサイトを作ったことがある人に説明するなら、ホームページのソースが記述書、そしてそのサイトへのリンクを張ったページが接続書みたいなものだ。あるサイトのソースは1つしか存在せずコードも長いが、リンクページは<a href=・・・で続く1行で済んでいる点も、リンクはいくつでも張れる点も似ている。そして、サイトが更新されたりしてソースが変わったとしても、リンク先は必ずそのサイトに飛ぶように、接続書も記述書に変更が加えられてもその変更された時代へ飛ぶようになっているらしい。
 こうした説明を聞いてアトラスの目は爛々と輝き、
「凄いなぁ・・・」
と、つぶやくとゲーンは彼の様子に満足したように神々しい笑みを浮かべながら
「そうだ、そうだとも、アトラス」
といったのだった。

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