□ MYST小説とは MYST小説とは、MYSTの原作者でありプロデューサー(MYST3,4を除く)のランド・ミラー及びロビンミラーによって書かれた(といっても執筆代行は作家のウィングローヴ)ゲームの話を補う裏背景的意味を持つ小説である。(但しロビンはMYST・RIVENとアトラスの書のみ)
現在存在するMYST小説は3冊。出版された時期順に、アトラスの書(BoA: Book of Atrus)、ティアナの書(BoT: Book of Ti'ana)、ドニの書(BoD: Book of D'ni)の3冊である。この他、マリムの書(BoM: Book of Marrim)が出版される予定だそうだが今の所確定した発売時期は明らかにされていない。また出版されたとしても、ゲームのMYSTシリーズとはもっともかけ離れた内容となりそうだ。
3冊の本に共通して話の重点に置かれているのが、ドニという国であり文化だ。ゲームをプレイしていて、ゲーム中ではなんとなく暗黙の了解のように感じられていた「接続書(Linking Book)」。本を書くことで別の時代へ飛んでいける、その技を編み出し、その技によって栄えた国がドニだ。
ゲーム中に出てくるアトラスはこのドニ人の末裔である、ということはゲーム中で何度も語られていることだが、そもそもドニはどんな国だったのか、どうして滅びてしまったのか、そして滅びたあとにどうなったのかというゲームでは比較的あやふやになっている部分について小説では詳しく述べられている。
□ 小説とゲームの関連性 ゲームと小説を年代順に並べると以下のようになる。
○小説「ティアナの書」: ゲームMYSTの主人公アトラスの祖父・祖母の話であり、全ての物語の根源となる話。3冊のうち唯一崩壊前のドニの様子について書いてあり、なにがどうなって崩壊に至ったのかその経緯が書いてある。
また、アトラスの父ゲーンの出生とその運命についてなどもうかがい知ることが出来る。また、MYST・RIVENでアトラスが囚われているクヴィアもこの時期ある重要な事件の舞台となっており、クヴィアという島が時代の節目節目で重要な場面の舞台となっていることが伺える。
ゲームとの直接の関連は薄いが(MYST URUとは幾らか関連がありそうだが何しろクリアしていないので分からない)マニアックなMYSTファンは必ず読んでおきたい一冊だ。
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○小説「アトラスの書」: ティアナの書の話の続きになる話。ゲームに出てくる「アトラス」の少年時代から、父ゲーンとの再会、そして離反。後に妻となるキャサリンとの出会い。ゲーム「RIVEN」の舞台となる、第五時代RIVENの話、そしてゲームMYSTのオープニングに至るまでの経緯について書いてある話。RIVENと特につながりが深い話で、アトラスとキャサリンがなぜStarFissure(ゲーム中では「星の割れ目」と訳されている)に落ちたのか。MYSTの本とはなんなのか、など詳しく書いてあるので、アトラスの書を読んでからRIVENをプレイすると非常に分かりやすい。
ティアナの書とリンクが強く、特にアトラスの書中盤ではティアナの書のネタバレっぽいかなり中核のことが書いてある(恐らくアトラスの書を書いている時点ではティアナの書を書く予定ではなかった為と思われる)。そのほか、中盤でアトラスとゲーンが歩くドニへのトンネルは、ティアナの書の序盤でアトラスの祖父(つまりゲーンの父)が作ったトンネルなので、同じ道を行くという点でも興味深い。特にグレートシャフト(大縦穴)と呼ばれる穴を掘る時にはある事件が起きているので、それを知りつつ、アトラスの書でアトラスがこの縦穴にサンダルを落とすシーンなども中々感慨深いものがある。
今の所3冊の本の中で一番ゲームに直結しており、話自体も少年アトラスの冒険譚風になっているので非常にとっつきやすく楽しい。中盤を抜けた辺りからどんどんゲームとの関係が濃くなってくるので一番読みやすく面白い本だといえるだろう。
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○ゲーム「MYST」 アトラスの書の最後で、StarFissureに落ちてゲーンから逃れたアトラスとキャサリンは、落ちている最中にMYSTの書を落としてしまう。落ちたMYSTの書はなぜか地球に落ち、それを異邦人=プレイヤーが拾い、MYSTへ接続したのが話の始まり。これは、アトラスの書の最後の事件から約30年後のこと。
MYSTという時代は、アトラスの書の後半辺りで登場する。ゲームの中では何にも考えなかったMYSTという時代なのだが、その時代の書が誰によって書かれたか等の背景がアトラスの書にしっかり書いてあるので小説とのリンクが感じられて面白い。
また初版のMYSTには無いが、RealMYST以降のMYSTにはアトラスの祖母(=ゲーンの母)であるアナの墓があるらしい。これはMYSTの時にはまだアトラスの書が書かれてなかった為無かったのだが、その後アトラスの書が出版され、MYSTという時代に色々な意味が付加されたので、その後に発売されたRealMYSTに小説とのリンクを匂わせるものとして登場させたのだと思われる。
またラストの場面はアトラスの書にも登場するクヴィアである。
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○ゲーム「RIVEN」 話はMYSTの直後。アトラスの書でアトラスがゲーンをリヴンに閉じ込めてから30年後のこと。
リヴンに行ってしまったキャサリンをアトラスの代わりにプレイヤーが救出しに行く話。リヴンはアトラスの書に書かれている通り、ゲーンが書いた5番目の時代で、他のゲーンによる時代と同じく崩壊の危機にあった。そこでアトラスは外側からリヴンの時代に修正を加える作業に専念する為、自分ではキャサリンを助けに行けないのでプレイヤーにお願いしたというわけだ。
このゲームでは、アトラスの書に出てきたリヴンを実際に歩き回れる上、ゲーンやキャサリンに会うことが出来るのでアトラスの書を読んでいる人にとっては面白さが倍増することは間違いない。またキャサリンは元々リヴンの住人で、アトラスがキャサリンに出会ったのもリヴンだったため、よりによってキャサリンが逃げ込んでしまった時代がリヴンだったというのは非常に皮肉だ。これも本を読んでいなければ特にピンとこない所ではないだろうか。
またゲーンがキャサリンを捕らえたこと、このことの意味もアトラスの書を読んでいると少しだけ感じ方が違ってくる。というのもゲーンにとってキャサリンは単にアトラスの妻というわけではなく・・・。
グッドエンディングでは、プレイヤーは無事キャサリンを助け出し、StarFissureを通り元いた時代へ戻っていく。アトラスの書を読んでいると、ここでまたStarFissureの中を見ることができることにもう一つの感慨がある。
また瑣末な点だが、ゲーンの部屋にてティアナの書の主人公「アトラス」と、アトラスの書の冒頭に名前だけ出てくる「ケタ」の写真を見ることができる。これを喜べるのは小説の読者の特権であろう。
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○小説「ドニの書」 話の始まりは、丁度RIVENの4年後。場所はアトラスの書の後半でアトラスがゲーンによって閉じ込められたクヴィアの一室から始まる。RIVENのエンディングでキャサリンと無事このクヴィアの部屋へ戻ってきた二人は、他の若い助手とともにその部屋から外へ出る。そして、色々な時代の接続書を崩壊したドニの街から探し出し、崩壊前に逃げ出したドニの人たちを探し、ドニの再建に努めようとする。
しかしその計画は途中で中止になる。それは彼らが、ドニの姉妹時代として作られたテラーニー(Terahnee)の時代を見つけたからだ。そこにはドニと同じ祖先ロニーの末裔である、ドニと同じような人種の人たちが住むまるで楽園のような場所だった。しかしその時代は実は・・・。
本の最後の部分で、今後のMYSTシリーズに何度も出てくる事実が書かれている。一つはイーシャ。本の本当の最後に赤ん坊として登場。これが初登場になる。そしてEXILEで最初に登場するアトラスとキャサリンが住んでいる時代トマーナ、また同じくEXILEでサーヴェドロが盗むレリーシャンの時代もドニの書に出てくる時代だ。
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○ゲーム「EXILE」 赤ん坊のイーシャが登場するので、ドニの書の直後と思われるMYST外伝的話。時間軸的にはRIVENの10年後ということになっている。
上の項目で書いたとおり、ドニの書とのつながりが幾らか見られるが、そもそもこのゲームはMYSTの原作者ではなくほかの会社が作った話なのでそれほど深いリンクは無い。
とはいえ、あらかじめドニの書を読んでレリーシャンやトマーナを知っておくと、実際にトマーナでイーシャを見られるので感動があると思う。イーシャはこれ以降のMYSTシリーズのゲームでアトラスに代わると言えるほど重要な役割を持つようになる。
また、ドニの書に引き続いてアトラスがまだドニ再建に向かって忙しく頑張っているということを伺えるのは喜ばしいことであるかもしれない。話的には、第一作目のMYSTに関連が深い。
○小説「マリムの書」 何しろまだ出版されていない為詳しいことは分からないが、ドニの書の後の話。ドニの人々が再建する場所としてレリーシャンの時代を記述し、ドニが再建されていく過程について書いてあるらしい。後のURUとの関連を考えるとレリーシャンの時代による再建が失敗することなどが書かれていると想像する。
ちなみにマリムの書の「マリム」とはアトラスの助手の女の子のこと。ドニの書でかなり出てくるらしい。パッと読んだところによると、あまり女らしくなく男仕事も進んでこなすしっかりした子のようだ。
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○ゲーム「Revelation」 話的には、シーラスとアクナーが本に閉じ込められて20年後ということになっている。EXILEの9年後ということで、イーシャもかなり大きくなっている。話のつながりは、小説よりもゲームのMYSTにつながりが深い。そもそも小説ではシーラスアクナーのことは全くといっていいほど出てこないので、ここに焦点が当てられている時点で小説とのかかわりは少ない。
EXILEと同じく原作者が関わっていない外伝的話なのでそれはしょうがない。
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○ゲーム「Myst Uruの3部作」 私はあまりまだ深くプレイしていないのでなんともいえないけれど、話的には他の話から更に進んでRevelationの200年後。あんなに可愛かったイーシャがヨレヨレになっているあたりからも時の流れが伺える。
小説とのリンク的には、冒頭がアトラスの書の最初の場面であるアトラスの生家「裂け目(Cleft)」から始まるので感慨深い。実際裂け目では小説に出てきた幾らかの記述とリンクしていて面白い。小説の挿絵がそのまま家の中に張ってある辺りもアトラスの書の冒頭を読んだことがある人なら感動できる所だろう。
またゲーム中で実際ドニに行くことが出来るのでアトラスの書で出てきた「オレンジ色の海」なども目撃できて、どちらかというとマニアックな人にとっては垂涎ものだろう。
ただ、客観的に小説を中心にしたMYSTとしてみると、明らかにURUとこの後のMYST5は「次世代」という感じを感じざるを得ない。MYST小説においては比較的ドニは身近なものだったのだが、さすがに200年もたったURU以降は古代遺跡という雰囲気が強く、地球人も含めたその探索が現実的で垢抜けていると感じざるを得ない。それが良いか悪いかは別として、、、
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○ゲーム「End of Ages」 同じくプレイ最中なので何ともいえないが、URUの1年位後の話らしい。
始まりがクヴィアからなので、アトラスの書でアトラスとゲーンが暮らしたクヴィアの中を自由に歩ける辺りに、アトラスの書の読者には少なからず感慨があるだろう。
このように、ゲームでは語りきれない(というより、ゲームでは謎解きの方に専念して欲しいからか)MYSTの物語を補完するかなり詳しい内容が小説になっている。つまり、MYSTはパズルと小説とセットになっているゲームなのだ。もちろんパズルだけ解いても面白いのだが、話も非常に良く考えられている独特の世界観のあるものなので是非セットで楽しんで欲しい。
□ 現在の日本語版小説事情 ところが残念なことに現在の所、日本語訳されたものとして正式に出ているのは「アトラスの書」しかない。しかもこのアトラスの書も既に絶版で、復刊の運動は持ち上がっているのだがなかなかマニアックなゲームなので日本では儲からないらしく、なかなか復刊の目処が立っていないのが現状だ。
しかも、残る2冊においては出版される兆しすらない。アトラスの書を出した翔泳社も翻訳する気が無いようで(以前忍さんのHPにそういうことが書いてあった気がする)、日本人MYSTファンには全く未踏地の本というわけだ。
というわけで、まあ弱気ながら小生、青島がなんとかしようかなーと思っているわけなのだが、何しろ一度挫折した身なので「最後まで頑張るぜ」と強く言えないのが現状で。まあそういう経緯でここのHPが成り立っているというわけです。合点された方は右下の「投票する」でどっちか楽しみな方を選択してクリックでw
(何しろまだゲームを全部やりきっていない上、小説も読みかけなので間違っていることなどもあるとは思いますが、そのうちそこに至った時にまたこの記事を加筆・修正していくつもりです。なので特にドニの書とMYST4以降は間違っていることを書いてあるかもしれません。鵜呑みにされないようにお願いします。また、親切に教えていただいても嬉しいのですが、ゲームのネタバレ等になりますと私個人のゲームプレイが楽しくなくなるので、もし何かしらコメントの際はその辺りをご考慮願います)
- 2006/12/19(火) 19:30:26|
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そうなんですか!
それは知りませんでした。wikiだけ見て書いていましたので。
MYST5に出てくるドニが使っていたバーロは、ドニの書で出てくるTerahneeで使われていたAhrotahnteeと同じく奴隷であり同じような使われ方をしていたので、ドニの書を読むとバーロのことが良く分かるみたいなことかなと読んでましたが違ったんですね。
直しておきます。
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- 2006/12/19(火) 22:42:29 |
- 青島 #-
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