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アトラスの書 第8章 その1

   ↑  2006/12/09 (土)  カテゴリー: アトラスの書
<<<第8章>>> PB138~145

 それから数週間というのも、アトラスはゲーンの言葉どおり一生懸命勉強に励んだ。朝は主にクヴィアの壁や通路の修理などの作業をし、午後から食事を取り入浴をした後で今度は図書館に篭り、ゲーンが教えるドニ文化の基礎を勉強した。
 もちろん、ドニ文化について彼はアナから聞いたり自分で本を読んだ知識があったので、ゲーンの話には幾らか知っている部分があったものの、それでもやはりその大部分は聞いたことがないことだったので、アトラスはじっと黙って父の話に耳を傾けていた。それに、今やドニは昔思っていたようなおとぎ話の国ではなく、本当に存在したということが分かったので、以前心に描いていたドニの姿そのものが彼の中で少しずつ姿を変えつつあったのだった。
 そんな生活が何週間か続いたある日のこと。アトラスは、なぜかクヴィア島の北側だけ光るプランクトンの数が少ない理由について調査していた。そして、ゲーンの部屋から出ている古い水道管から何かが滴っていることに気づいたのだ。その滴っている液体の成分を調べてみると、それはプランクトンには有害な鉛とカドニウムを含んでいることが分かったのだった。しかし、彼には水をフィルター洗浄するための道具が無かったので、単純にその水道管を塞ぐことにした。彼はこの日の朝、その作業に奔走していたのだった。そんな時、ゲーンが作業をしているアトラスの元へやってきた。
「アトラス」
 呼ばれて、アトラスは頭上に立つゲーンのほうを向くと、父はまるで旅にでも出るかのような服装に着替えていた。ゲーンの視線は海を越え街の方へ向けられていた。
「はい」
「お前に新たな課題を与えよう」
 それを聞いて、アトラスは持っていた作業道具をリュックに放り投げて姿勢を正して、続く言葉を待った。ゲーンは彼のほうを向くと、アトラスを見つめながら言う。
「一緒に街へ行って、本を探すのを手伝ってくれ」
「街?これから街へいくんですか」
 ゲーンはうなづく。
「そうだ、だから着替えて来い。ブーツも履いた方が良いだろう。それとリュックも持って行け」
 アトラスは一瞬躊躇したが、軽くうなづくと散乱した作業道具を持って急いで階段を上がっていった。その肩越しにゲーンが声をかける。
「俺は船着場でボートの準備をしているから、そこで落ち合おう。急げよ。日が沈む前に帰ってくる予定だからな」

 アトラスが準備をして桟橋にやってくると、ゲーンはボートの手すりのところに立ち、ロープを手にして、出発の準備を整えて待っていた。
 思えばあの日、アトラスが初めてクヴィアにやってきた日から、彼は一度もこの島を出たことがなかったのだ。そしてあの日からというもの、この島から遠くに見えるドニの街を見ては、行ってみたいと思わない日はなかったのだった。
 ボートが岸を離れ、狭い島の出口を出て行く。アトラスは座っている向きを変え、広大なオレンジ色の海に目を向けた。散在する島々の向こうに見える、ドニの中心地。今見ても、なおその乱立する建物がそびえ立ち、その建物の先は見えないほどだ。
 往古の、それも想像を絶するほど往古の街・・・。
 そして、広い海にボートが漕ぎ出ると、アトラスは振り向いて、ゲーンの島を眺めた。初めてここにやってきたあの日、彼はとても疲れていて、この島の外観を見ることが出来なかったのだ。しかし今、彼はクヴィアを一望することが出来た。そして、クヴィアの内部の部屋や通路、不規則に散在するテラス、何層にも分かれた邸宅という内部を知っている今、外から眺めることでその一つ一つのつながりが明確になり、アトラスは島の形のせいで全てがらせん状になっているのだということに一人で納得したのだった。



 そのクヴィアの先に、壁が崩壊し、折り重なっている所があるのが見える。それは湖面から照らされ、まるで金属のような光を放っていた。上からではなく下から照らされている風景は奇妙なのだが、ここにやってきてからはさほど珍しくなくなってきていた。それに、普段厳しい砂漠の太陽の下ではゴーグルを付けないではいられないほど光に弱い彼の眼だが、この薄暗い光がむしろ楽に感じられていた。それどころか、こういう光の方がアトラスにとってはなんだか自然な気がするのだ。それは恐らく、アトラスが半分ドニ人だからであろう。実際、ここでは何か遠くのものを見たい時の他は、ゴーグルを外して生活していたのだった。
 周りの風景に心を引き寄せられていたアトラスだったが、不意に我に返りゲーンの様子を伺った。すっかりゲーンのことを忘れていたのだ。しかし、アトラスの視線に会い、ゲーンは何か悟られたくないことでもあったのか、すぐに目を逸らし、オールを漕ぐ手に力を入れたようだった。
 その様子に、アトラスも気まずかったのか、再び街の方へと目を移した。そこに散らばる島々の間を、それぞれ暗くて大きな館がまたがっているのが見える。その館の形はそれぞれとても変わっていて、しかもそれぞれ形は違っていたけれど、その全てが崩れ去っていた。
 大き目の島のうちの一つに、奇妙な角ばった要塞のような建物が巨大な崖に突き刺さるようにして立っているのが見える。そしてその下の崖は、静かな湖面へと続く150メートルもの高さの大絶壁だった。
 アトラスは、こうした荒れ果てても尚実に壮大な風景についつい感嘆のため息をついたのだった。

 それから道中、アトラスが水面を群れ飛ぶトンボや、水面から現れた巨大な魚に驚いてはゲーンに質問して疎まれるシーンがしばらく続く。特に魚のことと、この湖がとても深いという話を聞いたせいか急に水面にぽつんと浮かんでいることが恐ろしくなったのか、アトラスはそのことを考えないようにするため、ふと父が探している本のことに考えをめぐらし始めた。ゲーンは今だってたくさんの本を持っているのに、なぜこの上もっと本を欲しがるのだろうか。
「後どのくらいで着きそうですか?」
「遠くはない」
 ゲーンは辛抱強く答えた。オールを漕ぐ手は規則的で、まだ疲れてはいないようだ。
 アトラスはしばらくリュックをもてあそんでいたが、再び顔を上げてゲーンのほうを向いた。それに気づいたゲーンがたずねる。
「今度はなんだ?」
 アトラスは一瞬息を呑んだが、思い切ってさっきから気になっていることをたずねてみた。
「本のことだけれど・・・・この前もう本は作られないと言っていたけれど、あの本は何か特別なものなのですか」
 しかし、ゲーンは無表情なまま、
「時が来れば教えてやる。しかし今は、とりあえず本を探すことだけ考えろ」
というばかりだった。





========== ひとこと ==========


来るべき13ページもの長丁場に備えてここで区切り。

ゴーグルというのは、RIVENでゲーンが登場シーンにやってたあれ(左図)や、同じくRIVENのエンディング付近でアトラスが現れた時もゴーグルをして登場してるあれです。
ティアナの書で頻繁に出てくるんですが、ドニ人は目の色が薄いという身体的特徴があって、それはこういうモグラ生活に適応した特徴だったんですねえ。

ところで、今まで比較的甘えん坊な感じの語り口だったアトラスですが、やはりゲームをやり直したり、かなり読み進めている現在(個人的には20章まで来ました)、やっぱりアトラスはずっとあってなかった父親だし、ある程度距離を取って接していると考えた方が良いなと思い、丁寧口調で話す方向に変更しました。
他の前の部分も時間が出来たら換える予定です。

ところで今まで、挿絵はスキャンしないことにしていましたが、掲載許可を取ったんだし、掲載してもいいかなということで載せてみました。
著作権等については表紙ページに書いてあるので読んでください。
それと、挿絵も気が向いたら入れるけど、商売の妨害はしたくないから、なるべく買ってあげてくださいね、原書を。恐らく今のところまで私の訳で読んでいれば雰囲気もつかめているだろうから、頑張れば読みきれるはず。

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