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ティアナの書 Part1 その7

   ↑  2006/11/29 (水)  カテゴリー: ティアナの書
<<<Part1 その7>>> ハードカバP21~25

 4人の監視官たちがエクスキャバターから外へ出てきた。彼らの動きは少しぎこちない。というのも、マスターテラニスの指示で慣れない防護服に身を包んでいたからだ。いつものようにケドリが先頭を歩くと、アトラスがその横に付いて、彼らはトンネルの入り口までやってきた。
 サイクラーは既に何度か掘削を行った後で、カデットたちは2メートルほどのセクションの削り出しをし、ドニの石でその表面を塗り固めていた。その完成したトンネルの先に、試削穴の暗い丸が見える。そしてその丸を囲うようにして骨ばった昆虫のような形をしたサイクラーが、透明の覆いに身を包んで横たわっていた。
 握りこぶし大のファイヤーマーブルが天井から吊るされ、その青白い光の下でカデットたちが忙しそうに岩をトレーラーに乗せていく。
「ああ、これだよ。こういうのを私は想像していたのだ」
 ケドリが満足げに辺りを見回しながら言った。
 彼らは、ランプの向かう方向へ彼らはゆっくりと歩みを進めていった。この辺りの完成したトンネルは、まさに永久に壊れそうに無いほど完璧な様相を呈している。そして、彼らは若いギルドマンの横を通り過ぎ、岩面がむき出しになったサイクラーの下までやってきた。
 見上げる彼らの視線の先の、ピカピカと光るエンジンの更に先に、大きな回転輪が岩面に接して置かれていた。またサイクラーに取り付けてある透明な覆いも目に入る。それは、採掘の過程で飛び散る岩をキャッチして、岩を試掘穴の方へ流すためにある防塵壁だった。そして、流れてきたその岩をカデットたちが吸引ホースで集めて、粉砕機に運ぶのである。
「約束を覚えているか、アトラス」
不意にケドリがアトラスを見上げた。
「ええ、忘れていませんよ」
「それなら何を待っている?」
 アトラスは、その問いに答える代わりに振り返り、近くで働いていた彼の友人のエファニスに合図をした。すると合図を受け取けたエファニスはすぐにサイクラーの操作盤の方へ移動し、サイレンを2度鳴らした。
「君のギルドは、ギルドの中でも一番うるさいギルドに違いないな。何をするにも最初に大きな音を立てないと始まらないらしい」
 ケドリの言葉にアトラスは笑う。その通りなのだ。もし上に誰かがいたら、彼らが地面を突き破る前にこの音を聞いて避難することができるだろう。
「ヘルメットをつけるのをお忘れなく、マスター方」
 といいながら、アトラスは一人一人監視官を確認する。
「安全であることは間違いないのですが、万が一あの覆いが破れたとしても、ヘルメットをつけていれば大丈夫です」
「慎重に、慎重の上に慎重を重ねてやってくれよ」
 と、ケドリがつぶやいた。

 ゆっくりとサイクラーの輪状刃が回転を始めた。最初はゆっくりと、次第に加速していく。そして始めのうちはヒューヒューと風を切る音を立てて岩面すれすれを回転していたが、突然サイクラーの前面がが岩の中に埋まっていき、同時にまるで何千匹もの蜂を一度に放った時のような騒音が当たりに響き渡った。
石のかけらがまるで雹のように飛び散り、防御壁の厚い表面にぶつかっていく。水圧でサイクラーの腕がゆっくりと水平に伸び、輪状刃がまるでアーチェリーの外側の輪を描くように岩に食い込んでいった。
 そして3分もかからないうちに掘削は終了した。ゆっくりと刃が岩から引き抜かれる。その表面から蒸気が立ち上がっていた。すると若い測量士たちが今度は支柱(Brace)の大きな輪をトンネルの下流から運んできた。そして先ほど見たのと同じようにそれをサイクラーに取り付ける。それらの作業は、見た目簡単なように見えるが、実際は危険との戦いであり、またそんなに簡単にできることではなかった。
 ギルドマンが覆いを外して支柱を取り付けている間、ケドリらは作業の邪魔にならないように横へ避けていたが、支柱が溝に埋め込まれると彼らはサイクラーを通り過ぎた先の試掘穴の中へと進んでいった。そこは暗く、辺りには岩のかけらが散乱し、外からの光に照らされていた。
 アトラスは、そこの置かれている二台の機械を指差す。一台は金属製の球体が真ん中にある大きなホースを持つ機械で、見たところ岩の破片を集めるためのもののようだ。もう一台は最初のよりも小さい4つ足の機械で、楔形の容器が上に乗っかったような形をしていた。
 岩を集める方の機械の前を通り過ぎて、辺りに落ちていた大きな岩を手に取ると、アトラスはそれをケドリに渡しながら、
「それでは、フュージョン・コンパウンダーをつかってみますか?」
とたずねる。するとケドリはニヤリと笑って岩を受け取ると、それをトレイの上に載せた。
「それで?」
 その問いに答える代わりに、アトラスは機械に歩み寄りボタンを押した。するとすぐに容器の上に蓋がスライドして閉まり、しばらくガラガラと音がした後、またすぐに蓋が開いた。見ると岩は消えたようになくなっていた。
「ナラは?」
 アトラスはかがんで、機械の下側の網状のかごにある大きな赤色のシリンダーを指差した。
「ナラはこの中に入っています。我々がこの石を使う時まで、圧縮された状態で保管されるのです」
「しかし、もう固まっているだろう」
 アトラスはうなづく。
「その通りです。シリンダーのなかに保管するのは一時的なことにすぎません。ナラを貯蓄しやすい形にするための一種の入れ物に過ぎないのです。そして十分な量のナラを手に入れたら、今度は違う機械にシリンダーごとかけるのです。その機械はこれよりももっと高圧を作り出すことができるので、シリンダーは燃え切って、ナラは自由に形を変えられる使い易い状態になるのです」
「その機械というのが、あのスプレイヤーか」
 アトラスはうなづく。
 ケドリは、シンプルな見た目の割に強力な力を持っているコンパウンダーに感心しながら、かがんで赤いシリンダーに畏敬の念を持って眺めていた。そして突然我を忘れて周りを見回すと、次々に岩を集めてはコンパウンダーに載せたのだった。


* * *


 その夜、テラニスは再びアトラスを自室に呼んだ。
「客人たちには今日、大いにお楽しみいただけたらしいな。危険度の低い機械を触らせるというのはとてもいいアイデアじゃないか。奴らは本の虫のようなタイプの人間だから、ちょっとした機械でも感激するみたいだな。ひょっとしたらこんな小さいことでも我々にとって良い方向に働くかも知れん」
「それで、先生はあの事をいい事だとお思いなのですか」
「地上人に会うことか?」
 そういってテラニスは微笑む。
「そうだな。慎重な関係を保てる限りいい事だと思う」
 その答えにアトラスは眉をひそめた。
「つまり・・・?」
「つまり、我々の血を地上人のそれと混ぜることが無ければ、と言うことだ。それに必要以上に関係を深めるのも良くない。とにかく、原始的な人種は我々が昔そうだったように争いを好む気風がある。このトンネルを通ってドニへ地上人が殺到するなんてことにはなって欲しくない」
「それならどういった関係でいるのが良いとお思いですか」
 テラニスは肩をすくめて言う。
「あくまで観察する立場じゃないかな。つまり種としてあまり彼らに関わり過ぎないようにするなど」
「しかしなぜ?そうすることで我々は何を学ぶことができるでしょうか」
「彼らは、もしかしたら我々が使えるような何らかの文化的物を持っているかもしれない。例えば工芸のようなものとか。もしくは何らかの設備か機械を持っているかもしれない。まあ、個人的にはありえないと思うがね」
「それではなんだかケドリの言うことが正しく聞こえてきますね。彼はこの遠征がまるで『子供の使い』のようだと」
 テラニスは顔をしかめていたが、すぐに我に返ってたずねた。
「それは彼の言葉なのか?」
「ええ、そんな感じのことを、監視官の一人、確かジャイアに言ってましたよ。岩面に向かって歩いている時のことです。ジャイアは『そもそも地上に人なんかいるのかね』と言ってました」
「で?」
 アトラスはしばらく記憶をさかのぼりながら、
「マスター・ケドリは、いるだろうという意見でしたね。気候が原住民の発展に適しているから、という見解のようでした」
「しかし、そう思う根拠は何なんだ」
「どうやら彼らは4人ともすでにあの本のコピーを読んだことがあるようでした」
「地球の書か」
 テラニスはそうつぶやくと納得が行ったようにうなづいた。
「あれはグランドマスター・リネーレフ自身がお書きになった本なのだよ、アトラス。リネーレフは、恐らく古代の記述者(Writer)の中でもっとも偉大であろうお方だ。しかし、あの地球の書は彼がまだ見習いの時に書いたものだといわれている」
「確かケドリもそんなことを言っていましたね。しかしもっと重要なのは、恐らく次にジャイアがいった言葉です」
 そういうアトラスをテラニスの目が突き刺すように見入っていた。
「続けて」
「ジャイアは言ったんです、『地上に人間がいるかどうかなんてことはどうでもいい。そんなことよりこんな思索的なこと(speculative)に時間や労力をかけるべきだろうか』と」
「思索的なこと・・・・彼はそういったのか?」
 アトラスはうなづく。
 テラニスは椅子の背もたれに寄りかかると、じっと考えているようだった。そしてしばらくしてアトラスの方へ向き直り、
「それで、君はどう思うんだ、アトラス。そこまでやる価値があると思うか」
「はい。この世界に他に知的人種がいるということを確かめることは、十分我々が掛けてきた時間や労力に値すると思いますよ」

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