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ティアナの書 Part1 その5

   ↑  2006/11/18 (土)  カテゴリー: ティアナの書
<<<Part1 その5>>> ハードカバー14ページ~18ページ

 マスターテラニスはキャビンのドアに鍵をかけると、デスクに座りアトラスを見上げた。
「それで、マスターケドリの様子はどうなんだ?」
 アトラスはなんと答えるべきか一瞬躊躇した。というのも本当のところは、こんな役目なんて御免だというのが彼の気持ちだったからだ。この仕事は、彼にとってなんだかとてもやりづらいのだ。その様子を見てテラニスは彼をなだめながら言う。
「確か、ケドリは我々の方法を非効率的だと言ったと君は言っていたな」
「はい、その通りです。彼は僕たちのやり方が遅すぎるといつも言っていますね。石橋を叩いてわたるようなものだと」
「それで、君はどうなんだ?ケドリの言う通り、我々の方法はあまりにも学識ぶっていると君も思うか?」
「いいえ、全く。とにかく、急ぐ必要なんてないのですから。地表に出るのが今年のことになろうと来年になろうと関係ないのですからね。安全こそ第一に考えるべきことだと思っています」
 テラニスは彼の言う言葉が本当に心から思って言っていることなのか確かめるためか、じっと彼の顔を見つめてからうなづいた。
「よし。では、いくつか君にいっておきたいことがある。まず最初に言いたいのは、私は君が本当はこの仕事を好いていないことは分かっているということだ」
 その言葉にアトラスは反論しようとしたが、彼はさっと手で制して
「いいか、アトラス。マスターケドリの世話は楽じゃないことは分かっている。しかしその役を君に任せたのには理由があるのだ。あのマスターは、我々から「あること」を探り出そうとしている ― 我々の態度を「調査している」とでも言うべきか・・・」
 それを聞いてアトラスはぞっとした。
「つまり、言動には気をつけた方が良いということですか」
「いやそうではない、アトラス。私は、君がマスターケドリの機嫌を損なうようなことをする心配は全くしていない。そしてそれが君にこの役目を任せた理由だ。君はまるで玄武岩のようだからな、実に信用できる。*1だか、もしマスターケドリが一番興味を持ったことについて日々の終わりに書いてよこしてくれたらとても助かる」
 その言葉に、アトラスは一瞬躊躇しつつもたずねる。
「理由をお伺いしてもよろしいですか?」
「いいだろう。しかしこのことは君の心のうちだけに納めておけよ」
 そういって一呼吸置くと、
「一週間後に、評議会の会議が行われることになっている。しかし、どうやらその古参メンバーの何人かが心変わりをしたようでな。彼らは、我々が地上人と接触すべきかどうか長い間深刻に考えてきたのだが、どうやらそのうちの何人かが、地上人との接触を良しと思わなくなってきているらしい。それどころか、彼らはこの遠征自体を止めさせるかもしれないらしい」
 それを聞いて、アトラスは我慢できなくなって机を叩き、
「でも・・そんなこと出来るはずがない・・・!」
 マスター・テラニスは感情を押し殺したように笑い、
「しかし、もしそれが彼らの最終結論なら、そうなるだろう。我々は彼らに従わなければならないのだから。評議会で争うことも出来ない」
 テラニスの言うとおりだと認めて、アトラスは頭を垂れた。その通りなのだ。評議会はドニを事実上支配している体制だ。その決定はまさに法である。彼の意見などは全く力を持たず、全ては5人の元老で構成される元老院と18のギルドのギルドマスターが決めることのみが重要なのだ。
「だからこそ、我々は客人達に印象付けねばならぬのだ。なぜなら彼らは元老院と18のギルドを代表してやってきているんだからな。彼らが帰ってからどう報告するかが評議会の決定を左右するのは間違いないのだから」
「わかりました」
 アトラスは本当に分かったのだった。マスターケドリは、アトラスらの問題に鼻を突っ込んでくる単なるでしゃばりではないということに。そしてケドリは遠征隊にとって、潜在的な敵、もしくは味方になるということに。もしケドリが反対意見を表明すれば、彼らが今までこつこつと岩を掘ってきたこと自体が水の泡になってしまうのだ。
「正直、自信がありませんが・・・」
というアトラスに、テラニスはうなづき、
「分かっている。しかし、もし君がどうしても嫌ならばこの任を解くこともできるが・・・?」
 そういわれて、アトラスはテラニスをじっと見つめた。
 止めるのは簡単なこと。しかしアトラスは分かっていた。それは家に帰るかどうかという問題と同じだということを。つまり、彼はいつだって家に帰ることができるが、あえて「帰らない」という選択をしてこそ、この「旅」に意味があると考えている。この任務だってそれ同じだ。止めることは出来る、しかし・・・
 アトラスは意を決したようにうやうやしく頭を下げると、
「有難く承ります、ギルドマスター」
 テラニスはその言葉を聞いて満面の笑みを浮かべ
「よし。さあ、食事にいけ。長い一日になるぞ」
と言ったのだった。

* * *


 あれから長く厳しい日々が一日、また一日と過ぎ去っていった。
 とうとう次のセクションの掘削を開始するというニュースが飛び込んできたのは、アトラスがその任に耐え切れなくなっていよいよテラニスに談判しようかと思い始めていた頃のことだった。
 アトラスがそのニュースをケドリに知らせようと食堂のキャビンに足を踏み入れると、部屋中がシーンと静まり返った。ケドリの他に同席していた4人の監視官たちが手を止め、入ってきたアトラスを一様に眺めている。
「お許しください。しかし、皆様方に我々が次の掘削を開始するということをお知らせした方が良いかと・・・」
 彼がそういい終わるや否や、、あらゆる方向から喧騒が同時に湧き上がった。ある者はすぐに席を立ち、食堂をあわただしく出て行き、またある者は食事の手を早めた。そんな中、ケドリだけがそのニュースに動じないでいた。
「ありがとう、アトラス。食事を終えたら君に追いつくよ。君は現場で待っておいてくれたまえ」
 そして約10分ほど後に、ケドリはエクスキャバターを出て彼らが試削している現場に現れた。他の監視官たちは既に到着しており、開始の合図を待っていた。すると、ケドリが口を開いた。
「一つだけ確認させてくれ」
 そしてアトラスが何か言おうとする前に続けて言う。
「マスター・ゲランの『音響テスト』は、その先の岩が十分硬いかどうか知るためのラフだが極めて正確な方法なんだな?そして次のステップが現段階で―いくつか細長い試削穴を通してサンプルを取り、これから掘る岩の正確な種類を知る、そうだろう?」
 アトラスはうなずき、初めてケドリに笑いかけた。
「ああ、どうやら最低限の情報は得ることが出来たらしいな」
 そういうケドリの口元にも心なしか嬉しそうな色がにじんでいる。
「それにしても、私が読んだ書類には書いてなかったのだが、教えてくれないか、アトラス。お前たちが掘った岩は一体どこへ行くのだ?」
「どこへ行くかですって?」
 そういってアトラスは笑った。
「ご存知なのかと思っていましたよ、マスター。皆知っているだろうと。岩は再構成されるのです」
「再構成?」
「そうです。フュージョン・コンパウンダー(融合調合機)の中で、岩石はその原子構造を再鍛することで再構成され、200分の1まで圧縮されるのです。その圧縮された岩石が「ナラ(nara)」なのです」
「ああ、それがナラなのか!」
 ケドリは納得して頷いた。
「そのフュージョン・コンバウンダーを見ることはできるかね」
 アトラスはにっこりと笑った。なんだか少しだけケドリのことが好きになってきた気がする。
「見るだけで良いんですか、マスター?ご希望とあらば、実際に操作することも出来ますよ!」


* * *


 マスターケドリに説明をするため、アトラスは紙を取り出しトンネルの断面図を描いた。
「ここが・・・」
 そういって、真ん中の小さな斜線で塗られたエリアを指差す。
「エクスキャバターが掘り出した穴の部分です。ご覧の通り、比較的小さいです。トンネル全体のの円周の3分の1に過ぎない大きさです。そしてここ・・・」
 今度はトンネルの外壁上の二つの平行な円を指差して、
「ここが、サイクラーによって削りだされる部分です」
「サイクラー?」
 ケドリが困惑してたずねる。
「ええ、僕たちはそう呼んでいるのです。中心の試削穴の周りの岩をリング状に削り出すので」
「ああ、あの蜘蛛のような形をした機械のことだな?」
 アトラスはうなづく。ほんの二日前、彼らは採掘道具を視察したばかりだったのだ。
「このサイクラーが何をするかというと、外壁の周りを26センチの厚さで円状の筋をつけるのです。そしてその空間を今度はドニ石で作った密閉剤を埋め込みます。そうしたら今度は、内側のトンネルと密閉剤の間の岩である「襟石」部分を削りだすわけです」
「なぜ26センチなんだ?」
 その問いに答えるためノートに再び図を描くとそれをケドリに手渡す。
「見ての通り、まず3センチほどの幅の金属製の支柱を切断面深くに埋め込みます。そしてそこに密着剤を注ぎます。そして、襟石を削り出したら支柱を外して、そこにサイクラーをセットするというわけです*2」
 ケドリはアトラスの説明に眉をしかめ、
「しかし・・・何度も言うようで申し訳ないが、そういうやり方自体あまりにも手を掛けすぎているように感じるんだが」
「そうかもしれません。しかし、こうやった方が安全なんです。どうせ作るなら、いつまでも使えるトンネルにしたいですからね」
「ふむ・・・」
 そういってケドリはうなづく。
「だが、ただ地上人と話してみたいだけという目的のためにやることとしては、少々手がかかりすぎていると思わないかね、アトラス君」
 それは、ケドリが初めて示したダイレクトな問いかけだった。アトラスはその問いかけを聞き流すべきか、それともただの誇張だと取って答えるか一瞬悩んだ。が、ケドリはあくまで真剣にその答えを求めているようだった。
「ギルドマンよ、お前は何の意見も無いのか?」
 するとマスター・テラニスが彼に助け舟を出してくれた。
「お許しください、マスター・ケドリ。ギルドマン・アトラスはもちろん何らかの意見を持っているかもしれませんが、彼はまだ25歳で、若すぎるがゆえに自分の意見を示すということに慣れていないのです。もし年長者の意見でもよろしいのなら私が・・・」
 すると、ケドリはテラニスの言葉をさえぎって笑った。
「いや、君の意見なら結構。私はただもっと新しい見方、つまり若者の見方を知ることで、問題を見直したいと思っただけだ」
「お言葉ですが、たとえアトラスのように明晰な若者の意見だとしても、評議会が少しでも気に留めると本当にお思いですか?チュラ卿にいたってはアトラスよりも11倍も齢を重ねてらっしゃるのですよ。そんな彼が若者の意見など気にするでしょうか」
 テラニスの言葉を渋々認めて、ケドリは頭を下げる。
「そんなことより、もっと大切なことについて話しましょう」
 テラニスは、ケドリが話を戻さないうちに急いで話題を切り替えた。
「通常なら、ここで何回か試削サンプルを取るのですが、掘削を早く見てみたいとお思いのようなので、特別にサンプリング過程を飛ばして、いきなり掘ってみようと思います」
 それを聞いて、ケドリの顔色がパッと明るくなり、
「素晴らしい!」
 と嬉しそうに両手をすり合わせた。
「それなら、防護服か何かが必要になるかな」
 テラニスは首を振って答え、
「いいえ。しかし、2番目のエクスキャバター内に避難しておく必要はあります。何しろ削る時は削りますからな、我々は」
========================注釈========================


「君はまるで玄武岩のようだ。実に信用できる」 原文:「You are like basalt, Aitrus, solid through and through」
直訳すると「君はまるで玄武岩のようだよ、アトラス。徹頭徹尾硬いからな」となります。つまり玄武岩の硬さと、アトラスという人の性質の「硬さ」をかけているわけですが、日本語で「硬い」とするとお役人に対して言われる「お堅い人」と誤解されそうなので上のような訳にしました。
硬い=人から何を言われても自分のスタンスを崩さないということなのかなと。ケドリからどんなに上手いことを言われても、アトラスならケドリの言葉に惑わされず任務をやってくれそうで信用できると思われているようです。




「見ての通り、~(中略)~そこにサイクラーをセットするというわけです」
原文:「As you can see, we insert a special metal brace a quarter of a span wide, deep in the cut, then pour in the sealant stone. Then, when the collar has been chipped away, we remove the brace and set up the Cycler ready to start all over」

ぶっちゃけ、ここというか、サイクラーに関する内容自体が全く自信がありません。この先、サイクラーが動いているところについて細かい記述もあるのですが、イマイチ何をやっているのか、、、
そもそも、エクスキャバターによって削られる部分はトンネルの円周の3分の1も無い(=エクスキャバターの穴の半径はトンネル半径の3分の1以下)という点から、じゃあそれ以外の部分はこのサイクラーが削っているのかと思ったのですが、「サイクラーが削るのはは26センチの深さ」という記述もあり、計算するとエクスキャバターが削る円は半径13センチとなってしまい小さすぎるのです。
図は本を読んで私が書いたものですが、この図にあるべきサイクラーが削るという「the two closely parallel circles on the outer wall of the tunnel:トンネルの外側の壁上にある2つのほぼ平行な円」が、斜線の外側の円と外壁の間のエリアのことを言っているのか、それとももう一つ円を間に継ぎ足してあるのかが、、、
計算上は、トンネルの外壁より少し内側に線が一本あるだろうと予想されるわけですが、だとすると、その線とその線の内側までは何が掘るのか。それがとても疑問です。
そして上の「支柱をなんとか」「密着剤をなんとか」という記述が続くのでますます分からなくなってしまったという。たしか、その前の話では、ノードとトンネルの間には密閉壁が設けられているという話だったので「密着剤」と訳したsealantは「密着壁」なのかもしれないのですが、こういう作り方では可動式にはならないような気が、、、
もうしばらく読み進めれば分かるかもしれないのでとりあえずここはお茶を濁す形でこのままで進めさせてください。判明し次第書き直すことにします。

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2006/11/18 | Comment (3) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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Comment


ドニの岩と言えば、nara ですね。
何故あのフォントは n と r があんなに似てるのでしょうかねぇ。

そう言えば、「元老」という訳は素晴らしいです。
DEAのドニ年表でも使わせていただいても宜しいですか?

Yone |  2006/11/21 (火) 20:16 [ 編集 ] No.14


あああ、本当だ。
何度も見ていたはずなのに完全に見間違えてました。ご指摘ありがとうございます。

>そう言えば、「元老」という訳は素晴らしいです。

それはどうもありがとうございます。恐縮です。
もちろん、お気に召したならどうぞお使いください^^
嬉しい限りです。

青島 |  2006/11/22 (水) 15:24 No.15


ナラといえばMYST4に出てきましたね

BOX |  2009/03/11 (水) 16:21 [ 編集 ] No.54

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