<<<<第一章>>>>>
やがて月日が流れ、(10ページの真ん中あたりの表現から)7年の月日が立ったことが分かる。
場面は、7歳のアトラスが、砂漠の岡の上に隠れながら、望遠レンズでアナとキャラバンのやり取りを見守っているところから始まる。
この章の内容は主に、アトラスとアナの「裂け目」での生活について書いてある。
彼らは、砂漠の中の孤立した裂け目という穴倉の中に住んでいて、時折やってくるキャラバンから物々交換で塩や小麦粉、シルクなど裂け目では手に入らない物を買いながら生活をしているらしいことが窺える。
アナは、とても自立力のある人で、自分でハーブを育てたり、鉱石を削ったり、絵を描いたりしたものを、キャラバンに売り、それでアナとアトラスを養っているようだ。
ちなみに、アトラスがアナとキャラバンのやり取りを隠れて見ていたのは、アトラスがキャラバンにさらわれるのをアナが恐れていたからだ。
いくつか挿絵があるので、挿絵について説明しておこう。
12ページにある挿絵の一番上が、前回説明したアトラスたちが住んでいる火山である。
CLEFTとかいてあるのが、今すんでいる「裂け目」その反対側には、「Lava Flow」とかいてあるので、(今はまだ分からないけれど)そちら側には溶岩が流れているのかもしれない。
火山の下にある矢印は、キャラバンの進行ルートらしい。
真ん中の左側は、おそらく横から見た火山。右側は裂け目の中に張り巡らされているロープ橋の絵じゃないかなと想像する。一番下の絵は、良く分からないけれど裂け目の絵なんじゃないかなと思う。
キャラバンが帰ると、アトラスが出てきてアナが買った物を運ぶ手伝いをする。
このとき、彼らが住んでいる「裂け目」の内部の状況が垣間見れる。
買ったものは「貯蔵庫」と呼ばれる、裂け目の一番奥の部屋に置かれているらしい。
ここは、裂け目の最下層にあたるところで(地上から30フィート(10メートル近い)地下らしい)、地下から湧き水が噴出している。プロローグの場面はどうやらここらしく、プロローグでゲーンが泥で汚したため池もここにあり、当然アトラスの母もここに埋められているようだ。
またアナはとても、芸術的な人らしく、この貯蔵庫のドアを含めいたるところの壁に、鳥や魚、動物の彫刻を施しているらしい。
今回のキャラバンからの買い物で、アトラスの心を動かしたのは、初めて触れたシルクのほかに、もうひとつ、もぞもぞと動く布袋に入ったものだった。
「あなたへのプレゼントよ」とアナに言われて、いぶかしみながらも袋を開くと、中に入っていたのはアトラスの手の中に納まるほど小さな子猫だった。
砂漠の夕焼けのような毛並みに、緑色に輝く瞳が瞬きしながら、驚いているアトラスを珍しそうに見つめている。
「なんていう名前なの?」
「Pahketと呼ばれていたみたい」
「Pahket?」
聞きなれない名前にアトラスは眉をしかめた。
「古代の名前らしいね。最年長の商人が言ってたわ、幸福を呼ぶ名だと」
「へえ・・・。でも、Pahketって感じがしないよ。ほら、見て。この子、まるで小さな炎(Flame)みたい」
そういいながら子猫を優しくなでてやると、やがてゴロゴロとのどを鳴らし始めた。
「それなら、フレイムという名前にしたらどう?」
「フレイムか・・・・」
「そう、フレイム。台所に青いお皿があったはず。あれを使いなさい。ずっと袋の中に入ってたからのどが渇いてるでしょう」
祖母の言葉に、アトラスはうなづき、
「行こう、フレイム」
と子猫を片手に貯蔵庫へ向かったのだった。
- 2006/10/27(金) 18:23:37|
- アトラスの書
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