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ティアナの書 Part1 その4

   ↑  2006/11/10 (金)  カテゴリー: ティアナの書
<<<Part1 その4>>> ハードカバーP10~14

彼らが現在いる空洞は二つのエクスキャバターが一時滞在する場所としてピッタリだった。その二つの船はまるで節目のある巨大な芋虫のように長く曲がりくねっていて、その外装は採掘を行っていない間はピカピカに磨き上げられている。
 金属製のハシゴが格子状のデッキから何本か下のもっと狭いデッキに掛けられていて、普段は上の段で暮らしている若い遠征隊のメンバーたちは皆、監視官のために下のデッキへ移動していた。そこへ、ケドリらへの説明の毎日に疲れきったアトラスがその日戻ってきたのは、仲間たちが既に寝静まった頃のことだった。
 この狭いデッキに追いやられている36人の隊員たちは皆30歳以下の若者だ。皆、アカデミーを卒業してボランティアでこの遠征に参加しているのだった。最初のメンバーのうち何人かは脱落して、何度かメンバーの入れ替わりはあったものの、初期メンバーの3分の2はまだ残っている。

「2年と3ヶ月か・・・」
 アトラスは、寝台に腰掛けてブーツを脱ぎながら思う。かなりの長い間実家を離れていることになる。もちろん、希望を出せば一時帰宅もできるのだが、それは何だか「ずるい」気がするのだ。というより、いつでも家に帰ることが出来る「探検」なんて、探検ではないのではないか。
 そんなことを考えながら靴を脱ぎ捨てた時、彼は突然ハッキリとした振動がデッキに伝わるのを感じた。そして次の瞬間、低くて聞こえ辛いが、ガラガラという音が聞こえてきた。メッセンジャーだ!*1

 遠征隊はこれまで、ドニの巨大な空洞から伸びるトンネルのうち、最も遠くて狭いトンネルから掘り進み、現在約10キロほどのところまで来ている。もちろん、坑道の縦穴のようにドニから地上まで直通の穴を掘ることも出来たのだが、それは色々な危険を伴うので却下され、評議会で採択された別案に則って遠征が行われている。その別案というのは、水平から22.032度(3825トラン)の角度で掘り進めることだった。人が歩いて通れるように。
 そして、いつでも防御壁で行く手を封じてしまえるように。
 
 遠くで聞こえていた音は次第に大きくなり、ハッキリと聞こえるようになってきた。そして今では、タービンエンジンの音まで耳に入ってくる。
  
 遠征隊はこれまで、23メートルおきに採掘前の測量をし、そして堀り、掘ったトンネルを大理石よりも頑丈なドニ石で舗装しながら岩を掘り進んできた。塗装の後には、ブラケットを各セクションに取り付けて作業がおしまいになる。このブラケットを通じて、ドニからポンプ室を経由して空気が送られるのだ。
 二つの直線トンネルの間には、ノードと呼ばれる球状の空洞エリアが作られる。ここで、ゲラン親方が音響ポッドで次に掘る場所を決めるために測量をしている間、エクスキャバターを止め、他のメンバーは実験をすることができるのだ。このノードには密閉ゲートが付けられていて、必要な時はすぐに閉じることが出来るようになっている。

 ゴトゴトという音は、次第にうなりに変わっていた。そして、ノード全体にその音が響き渡った瞬間、エンジンが止められ、タービンのうなり音が減衰していった。
 アトラスは立ち上がると、その機械の鼻がノードゲートを通り過ぎてノードへと入ってくるのを見守る。今ではその乗り物の透明なフロントガラスの向こうの操縦士の姿まで確認することが出来るほど近くに迫っている。
 それは、4つの長い車両からなる大きなトレーラー型の貨物車だった。スマートなエクスキャバターと比べるとすこしぎこちなく見えるが、アトラスはこの貨物車を見ると嬉しくなるのだった。というのも、ドニからトンネルへ直接物資を飛ばすのは不可能なので、この列車が必要な物資、そして手紙も届けてくれるからだ。
「今何時なんだ、アトラス?」
そういわれて振り向くと、友達のジェニールが起きていた。
「8時鐘だよ」
と、答えながらアトラスはかがんでさっき脱いだばかりのブーツを履いた。
 どうやら、他の者たちもメッセンジャーの到着に気づいたらしく、ある者は寝台に座り、ある者は荷卸しがあると知ってはしごを上り始めていた。アトラスも、彼自身は一時的に荷卸しの手伝いを免除されているのだが、仲間たちについてはしごを上り始めた。もしかしたら何か彼宛に来ているかもしれないと思ったのだ。
 この前メッセンジャーがやってきたのは、3日前のことだった。しかし、彼らが運んできたのは、評議会から派遣された監視官だけだった。その前はそれから更に3週間前。つまり、彼らは3週間もドニとの接触が無かったのだ。3週間、全く何の知らせも来なかったということになる。
 メッセンジャーは、その機体を2つのエクスキャバターの間に止めた。そしてその横で4人の配達員たちが忙しく動き回りながら、彼らの真ん中の車両と、2台のエクスキャバターをパイプラインで繋ぎ、エクスキャバターへ部品やドリル歯、燃料、そして冷却材を積み込んでいく。
 どうやらメッセンジャーギルドの若い連中は皆、生まれながら人懐っこいタイプが多いらしい。アトラスがあくびをしながら歩いていると、そのうちの一人が彼を呼び止めた。
「よう!アトラス。君に小包が届いてたよ!」
「小包?」
 彼は「あれだよ」と、仲間の配達員が左側のエクスキャバターのフロントキャビンに運んでいる布で包まれた小包を指差した。それを聞いて走り出したアトラスだったが、たまたま通りかかったマスター・テラニスにぶつかりそうになった。
「アトラス、何をそんなに急いでいる?」
「ごめんなさい、先生。僕宛の小包が届いていると聞いたから・・・」
「ほう」
と納得して歩き出したテラニスだったが足を止め、アトラスの方を向くと声を潜めた。
「ところで、客人の様子はどうだ?」
疲れる・・・と言いたかったが、グッとこらえ
「詮索好きで・・・」
と一呼吸置いて、同じく声を潜めて答えた。
「それに想像力が豊かなようですね」
テラニスはその答えに眉をしかめる。
「なぜそう思う?」
「彼から見ると、慎重すぎるらしいです、我々は。僕たちのやり方は非効率的だと」
テラニスはしばらく思案してうなづくと
「ちょっと話をしなければならないようだな、アトラス。明日の朝、マスターケドリのところへ行く前に。君に言っておかねばならないことがある」
アトラスは頭を下げ、
「分かりました。3時鐘にお伺いいたします」
「よし。さあ行って君宛の荷物をもらってこい」

 メッセンジャーギルドのマスター・テジャラは、測量図部屋の机をこっそり拝借して郵便物の仕分けをしていた。測量図が並べられている棚に囲まれて作業をしていた彼は、アトラスが入ってくると顔を上げて声をかけてきた。
「ああ、アトラス。調子はどうだい?」
「申し分ないです、マスター」
テジャラは少し笑って
「さては聞いてきたな?」
「はい?」
ととぼけたアトラスだったが、彼の目はすでにテーブルの傍らにおいてある布製で糸で閉じられている大きな四角い小包に釘付けになっていた。
「ほらよ」
と、テジャラから渡された小包を手にして、アトラスはその重さに少し驚いた。そして思わず箱を持ち上げ、耳元で揺さぶってみた。
 何かがチンッとなる音がする。
その様子を見ていたマスター・テジャラは
「で、」
と一言置くと、
「今ここで開けるかい、それとも・・・?」
とニヤっと笑った。
 そういわれてアトラスは躊躇したが、小包をテーブルに置き道具ベルトから細いノミを取り出すと小包の縫い目を解き始めた。やがて糸が切れ布が解けると、中から木製の入れ物が出てきた。その上部はスライド式になって、蓋をスライドさせ中をのぞくと・・・
「なんてことだ!*2」
アトラスは思わず声を上げた。
 箱の中から彼が取り出したのは黄金に輝く携帯用の秤だったのだ。それは精巧なスプリング機構を持つ見事な作りで、シルバー製の微細なドニ数字が埋め込まれている。しかし、彼を驚かせたのはこれだけではなかった。アトラスは秤を慎重に脇へ置くと、再び箱に手を入れ、中から紫檀製の手のひらサイズの木箱を取り出した。箱を開けて、更なる驚きで思わず彼はポカンと口をあけてその中身に見入った。そこにあったのは、ドニ製の地質学用コンパスだったのだ。彼の指が優しくその水晶製の小さな拡大鏡を優しくなぞる。それは、その下の小さなメモリを読み取れるように取り付けられているレンズだった。しばらくの間その透明な細かいダイヤルや、調整つまみなどをじっと眺めると、アトラスは顔を上げ、分からないと言うように頭を振った。
「誕生日プレゼントかい、アトラス?」
と、傍らでその様子を見ていたテジャラが問う。
「ちがうんですよ」
そういって困惑しながらも、再び箱に手を入れ今度は一枚の封筒を取り出した。そこにはシンプルに「ギルドマン アトラスへ」と見慣れない筆跡で書かれている。
彼は顔をしかめ、テジャラを見る。しかし、テジャラは肩をすくめるばかりだ。仕方ないので封筒を開け、中から1枚の便箋を取り出すと読み始めた。「アトラスへ」という言葉で手紙は始まる。

アトラスへ
学生時代のころ一緒だった私を覚えてくれているだろうか。
私が思うに、あの頃私たちは親友とは言えなかったな。けどそれは二人が若くて、二人の間に誤解があったからだと思う。
最近、たまたま親父の書類の中から君が書いたレポートを見つけたんだ。それであの頃のことを思い出して、君が私に対して持っている悪いイメージを払拭するために何かしなくてはと思った。もし同封した贈り物が気に入らなかったら許してくれ。けれど、もしそれを贈った私の気持ちと同じ気持ちで受け取ってくれたら本当に嬉しい。
君の遠征が上手くいくことを願っているよ。友情をこめて。 ―ヴェオヴィス


アトラスは顔を上げ、手紙の最後に書いてあるそのサインをみて驚いた。
「ヴェオヴィスからだ・・・・ラケリ卿の息子の」
それを聞いてテジャラは驚いてたずねる。
「ヴェオヴィスと友達なのか?」
アトラスは頭を振り、
「いいえ。少なくとも学生時代には友達ではありませんでしたね」
「それなら、こんなプレゼントをもらうなんて驚きだろ?」
「いや、むしろショックですね、正直なところ。けど・・・人は変わるということでしょうか」
テジャラは力強くうなづき、
「お前だって分かっているはずさ、時は多くのことを教えてくれるってね。我々が削っているこの岩のように*3」
アトラスは、その古いことわざに微笑む。
彼の顔を見ながら、テジャラが思いついたように付け足した。
「おっと、忘れるところだった。お前宛に更に3枚手紙がきてるぞ」


* * *


 長い間、アトラスは寝台に身体を横たわらせていたが中々眠りにつけないでいた。ノードの滑らかな壁に映る影の形をじっと見ながら、あの贈り物の意味を考えている。
 あのほかにやってきた手紙は、家族からのいつもの手紙だった。お袋からは昔の友達についての他愛ない話、親父からは評議会で起きていることなどの話。けどそんな家族からの手紙を読んでいても、やっぱり「あの」手紙が頭から離れないのだ。
 あのヴェオヴィスが手紙を寄越しただけでも不思議なのに、その上あんな贈り物まで贈ってきたなんて全く驚きだった。
 それにただの贈り物なんかじゃない。彼が今仕事でもっともほしかったものを贈ってきたのだから。もちろん、ここにはコンパスや秤はたくさんある、しかしそれは彼のものではなくギルドの所有物だった。そしてヴェオヴィスがくれたそれは、そのどれよりもずっと素晴らしい。そう、マスター・テラニスのものと同じくら良いものだったのだ。
 やがてなんとか眠りについたアトラスは、夢の中で学生時代のことを思い出していた。13歳だったあの、ヴェオヴィスの耐えやまぬ皮肉に顔を背けるのに疲れ果てていた日々、変わっているかもしれないけれど彼にとっては明確な理由があって、かれはヴェオヴィスに背き、彼とけんかをしたのだった。
 やがて、アトラスはマスター・テラニスが彼を揺さぶるのを感じて目を覚ました。
「来い、アトラス。三時鐘がなったぞ。話をしよう」




=============== 注釈 ===============


「メッセンジャーだ!」 原文「A Messenger was coming!」
和風っぽく訳せば「郵便屋さんだ!」がいいかもしれないのですが、メッセンジャーギルドというのもあるので、カッコつけてみました。
ギルドというからには、なんとなくイメージ的に、普通の郵便局のようなルーチンワークばかりじゃなくて、なんか素晴らしい技術を若者に伝授したり、新しい技術を開発してそうな感じなので。



「なんてことだ!」 原文「By the Maker!」
ここ、自信がありません。
Makerが大文字なので、きっと「製造元」とか言う意味のメーカーではなくて「創造主」=神ということなんだろうなと。「Oh my God!」みたいな感嘆詞なのかなと想像しました。


「我々が削っているこの岩のように。」 原文「It is the rock in which we bore」
同じく自信なし。何かのことわざがこの台詞に含まれているらしいのですが。その前のTime teaches many things.なのか、それともこの文なのか、それすらも不明。
この原文のままのことわざが本当にあるかと探してみましたが、どこにもないっぽい。





□ ■ 翻訳者の独り言 ■ □
いやー、ついに出てきましたね。ヴェオヴィス。
彼の名前は、YoneさんところにあるD'ni年表の9400年に出てきたので覚えていましたが、まさか学生時代の友達だったとは。この先、このヴェオヴィスとアトラスの友情の変遷がこの「ティアナの書」の中核をなすテーマの一つとなるようですねえ。
いやはや楽しみな感じになってきた。
それにしても、、、1章は長い。ハードカバーで63ページもあります_| ̄|○

今更、ですが、、、まあ当たり前の話英語を直訳してそのままの文章の順番で、そのままの改行方法で書くと何かと読み物として面白くないので色々勝手に付け足したり削ったり入れ替えたりしてます。その辺りはしょうがないことじゃないかな、、、ね?

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2006/11/10 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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