【MYST】日本語化支援したりしなかったりとりあえずゲームMYSTの「アトラスの書」「ティアナの書」を読破したいなとか、弱気な目標に向かっていくサイト。 

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Part1 その2

   ↑  2006/11/03 (金)  カテゴリー: ティアナの書
<<ティアナの書 Part1 その2>> ハードカバー5P~

 エクスキャバター*1内は静まり返っていた。辺りの光も暗くなっている。
いつもならおしゃべりする若い乗務員でごったがえしている狭い通路も、監視官がやってきてからというものまるで無人であるかのように奇妙な沈黙を保っていた。
一人の若いギルドマン*2が静まり返った通路を歩きながら、辺りを慎重に見回していた。いつもは見慣れているこの辺りの風景も、今ではなぜか全く初めてに感じられたからだ。フロントセクションのこの先、ちょうど大きなドリルのすぐ後ろにはギルドマスターの部屋がある。またその隣、緊急時には自動で閉められる隔離壁を通った先が地図部屋だ。そしてその先、通路の両側にあるのが機材部屋になる。
 エクスキャバターは、普通の海上用の船と同じように、掘削のほかに作業員の生活スペースも持つ地中の「船」である。生活必需品は全て内部に貯蓄されており、突然の衝撃に備えて棚やたんすが壁に固定してある。そしてこの機材部屋ではエクスキャバターの機能が一目瞭然だ。巨大なドリルが岩の近くに転がり、大理石の円筒や防御用ヘルメット、そして解析用チューブなどがまるで武器か何かのように掛けられているのだから。
 若いギルドマンは立ち止まり、通ってきた道を振り返った。背が高く、スポーツ選手のようにガッチリとした体つきのその若者からは、まじめそうな雰囲気が漂っている。彼は、その身体に適度にフィットした真紅のジャンプスーツを身にまとい、腰には幅の広い黒い革のツールベルトを付け、そして長い黒ブーツという遠征隊の制服を身にまとっていた。
 彼の黒い髪は几帳面に短く切りそろえてあり、彼の整った骨格を際立たせている。その目の色は薄いが、眼光は鋭く知的で洞察力の良さを感じさせた。

 彼は歩を進め、クルーの居住セクションを通り過ぎた。そこは壁に沿って片側に3つずつ、計18の寝台が並べられているエリアだ。そしてその先の隔離壁を通り、食堂へ足を踏み込んだ。
 夕食の準備をしていたマスター・ジェラールが彼に気づき、笑みを向けた。
「やあ、アトラス。また遅くまで仕事かい?」
「ええ」
ジェラールはニヤリと笑って、
「君のことだから、これから実験に夢中になって夕食を忘れるつもりだろう?何か持って行ってやろうか?」
「ああ、それはとてもありがたいです、マスター」
「なんてことは無いよ、アトラス。君のように熱心な若いギルドマンを見るのは本当に気持ちがいいからね。面と向かっては言ったことは無いけどね、君の仲間の中には言われたとおりの実験をしていればそれで十分だと思っている連中もいるようだね。黙っているけど回りはお見通しさ」
アトラスは笑う。
「それにね、影では俺のことをバカだなんて言っている奴もいるようだけど、こんな小さな船の中じゃ耳に入らない方が無理って話さ。俺だって最初からコックだったわけじゃない。いや、タダのコックじゃない、と言うべきかな。俺だってね、かつては君と同じように測量士になるために、岩石の振る舞いを知るべく色々と訓練したものさ。その時の知識は、今だってここ、頭の中にしっかり詰まってるんだ。けど、残念ながら俺には向いてなかった。いや、コックという職業の方がもっと向いていたというべきかな・・・」
「訓練をされていたんですか、ジェラール先生」
「もちろんだともよ、アトラス。もし俺が能のない地学者だったら、上の連中だってこんなところで働かせてくれなかったはずだぜ?」
といって、ジェラールはまたにやりとする。
「なぜなら、俺は20年近くも圧力のメカニクスについての研究を専門にやっていたんだからね」
 アトラスは、ポカンとしてジェラールを見つめ、
「知りませんでした・・・」
と頭を振った。
「想像しなかっただろう。でもね、今では君が俺の料理を喜んでくれさえすれば、それで十分なのさ」
「もちろんいつもおいしく頂いてますよ。不満なんてありません」
「そいつは良かった。さあ、実験に行ってらっしゃい。しばらくしたら何か持って行ってやるから」

 食堂を出て、浴室セクション、サンプル貯蔵庫を通り抜けると、ようやく船尾に出た。通路の行き止まりであるには、分厚い金属製のドアが重苦しく行く手をさえぎっている。手を伸ばし、ハンドルを押し下げる。すると、ドアはきしみながら開いた。室内に歩を進めると、背後でまた音を立ててドアが閉まった。
 壁に掛けられた灯が、アトラスを照らす。彼は作業台にノートを置くと、棚から実験に必要な機材を急いで取り出した。
 ここは、船の中でもアトラスのお気に入りの場所だった。ここでは彼は全てを忘れ、純粋に発見の喜びに熱中することが出来る。
 手を伸ばし指先でランプのファイアーマーブルをつついて灯をともすと、今までの研究について記してきたノートを広げたのだった。



* * *



「アトラス?」
声がしてレンズから目を離して振り返ると、マスター・ジェラールが皿を持って立っていた。ドアの音に気づかないほど集中していたらしい。おいしそうな焼きたてのchor bahkhやikhah nijuhets*3の匂いが漂ってきて、アトラスのおなかを鳴らした。
「なにか面白いこと見つけたか?」
ジェラールが笑いながらたずねる。アトラスは皿を受け取りながらうなづいた。
「ええ、ご覧になりますか?」
「良いのかい」
ジェラールはレンズに目を沿え、おかれているサンプルをチラリと見て顔を上げた。その顔には疑問の表情が浮かんでいる。
「タキライト*4か?なんだってお前のような若者がこんな玄武岩質ガラスに興味を持ったりしてるんだ?」
「溶岩に関係するものなら何でも興味があるんです」
アトラスの目が爛々と輝いている。
「ゆくゆくは火山学を専門に研究したいと思っているので」
ジェラールは、合点がいったのかにっこりと微笑んだ。
「なるほどねえ。あの熱や圧力のことだらけの火山学をねえ。いやあ、君がそんなにロマンチストだとは思わなかったな」
予想もしない言葉に、ミートロールにかぶりつこうとしていたアトラスは手を止め、ジェラールの顔を見た。今までこの方面への彼の熱中振りについて仲間に色々といわれたことはあるけれど、「ロマンチック」なんて言葉はいわれたことが無かったからだ。
「ロマンチストさ。なぜならこいつが組成する仕組みを見ちまったら、他の何を見たってその半分も驚かなくなるぜ。超過熱された岩と凍えるようほど冷たい水の出会い―ああなんという強力な組み合わせだろう。そしてこいつ―半透明のガラスこそが、熱と水、二つが出会った証なのさ」
ジェラールは笑いながら続ける。
「熱や圧力の力をコントロールすること、それこそ我々ドニ人が初めてやり始めたことなんだぜ。そして根詰めて調査するという精神が初めて目覚めたきっかけでもあるんだ。だから覚えてろ、アトラス。いろんなことに疑問を持ってこそ、お前は真にドニの子なんだからな*5」
「はい。それにしても、あなたと今までお話をしたことが無かったことがとても残念です。あなたがこんなに博学だとは知らなかったので」
「博学なんかじゃないよ。少なくともテラニス先生と比べたらね。おっと、テラニス先生の話で思い出した、先生が君にすぐに戻ってくるようにおっしゃっていたよ。君に飯を食わせたら、あちらに向かわせると約束してたんだった」
ミートロールを食べようと再び口をあけたアトラスは、その言葉を聞いて手を止めた。
「テラニス先生が僕を呼んでいたって?」
ジェラールは、ミートロールを指差して食べるように促しながら
「君の食事が終わったらね。さあ、さっさと食ってしまえ。じゃなきゃ、俺の料理がまずかったんだろうかと勘繰ってしまいそうになるからな」
「そんな、とんでもない!」
アトラスは笑って、肉にかぶりついたのだった。



=====================注釈=====================


「エクスキャバター」 原文「Excavator」
本来なら「掘削機」と訳せばいいのですが、普段想像する掘削機はただの掘削だけをする機械であるのに対して、この物語の中の掘削機は掘削だけではなく、列車のように長く先端に掘削機部分が付いた掘削作業員の生活スペースも含んだ大きな乗り物なので単に「掘削機」というのを避けてわざわざ「エクスキャバター」と英語読みのほうを選択しました。


「ギルドマン」 原文「guildman」
「ギルド組合員」と訳すか悩みましたが、なんとなくこちらを選択。
「ホテルマン」みたいなカッコよさを感じさせたかったのもあり。
ちなみに、「ギルドマン」はギルドを構成するメンバーの中でも最下層の「平社員」みたいな存在であり、その上にギルドマスターなどがいます。



「chor bahkhやikhah nijuhetsの匂いが漂ってきて」 原文「The smell of freshly baked chor bahbh and ikhah nijuhts wafted across」
その1の冒頭もそうしましたが、ドニ語表記の場合、読み方すら微妙なのでそのまま書いてある通りを書くことにしてます。ちなみに、ドニ語の部分は、原文でちょっと変わったフォントが使ってあるのですが「h」と「b」の見分けが全然付きません。
文面から想像できるように、なにかの料理名っぽいですな。ドニ語辞典にも「食べ物の種類」としかかかれてません。
ベークドされてる何か。
後追加ですが、今回「アトラスのおなかを鳴らした」と書いてあるところは本当は、「アトラスの口の中につばを溜めた」なのですが、なんだか日本語っぽくないので変えました。



「タキライト」 原文「Tachyltye」
私が持っている初版のティアナの書ではTachltyeとなってますが、これはTachlyteのミススペリングだと思われ。
普通の字体なのでドニ語でもない。その後のbasaltic glassから類推してタキライトしかないなと。実際に存在する「玄武岩質ガラス」(地学用語)。
玄武岩質ガラスとは、火山のマグマが急激に冷やされて固まった時に出来る透明な火成岩。玄武岩質と呼ばれるゆえんは恐らく、SiO2が45~52%の斑状組織を持っている体と思われ。




「熱や圧力の力をコントロールすること~ドニの子なんだからな。」
原文「Learning to control such power, that is where we D'ni began as a species. That is were our spirit of inquiry was first awoken, So take heart, Aitrus. In this you are a true son of D'ni.」
正直自信ありません。
そもそもsuch powerのsuchが何を指しているのか微妙なので、、、
想像するにずっと前まで戻ったheat and pressureなのかと、、、
アトラスの書(6章その3あたり)で出てくるのですが、ドニ文明というのは「蒸気力」をうまく使っている点が特色らしいので、そういうことなのかなと。
つまり「ドニという人種は火山の地下にあるせいか、火山から派生した熱や圧力に対する「なぜ?」を追求したのがはじまりで、このコントロールできるようになって栄えたということ。だから、火山に興味を持つこと、もしくは何でも根詰めて研究することこそが「ドニ人らしいんだよ」と言っている」のかなと、、多分




ところでこんなサイト見つけました→http://www.wombat.zaq.ne.jp/yama/Ti'ana.txt
どなたかの翻訳っぽいですな。
見比べると面白いです。
この先がないのが残念。

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