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とりあえずゲームMYSTの「アトラスの書」「ティアナの書」を読破したいなとか、弱気な目標に向かっていくサイト。

第6章 その2

〜6章 その2〜 PB 109ページ〜112ページ

 アトラスの期待と裏腹に、道はどんどん険しくなってきた。
 至る所に岩がごろごろと落ちていて、岩を登ったり狭いところをくぐったりして進んでいく。道自体もだんだん狭く、暗くなっている。それに、確かでは無いけれど、ドニへ直行する道から大きく外れてしまったのではないか、とアトラスは感じていた。さっきの舗装された道路は、どこかに行ってしまって、今では果たしてきちんとドニに向かっているかすらも明らかではないのだ。
 しかし、それでもアトラスの気持ちは高揚していた。体中に、これから先に起こる事への期待と興奮がみなぎっていた。
―もうすぐドニだ!
 そう思うと、両足の痛みが薄らいで来る気さえするのだ。

 それから1時間もしないころだったか、ゲーンがアトラスを呼び、右端を歩くように言った。見てみると、この先で道が崩落して穴ができている。
 言われたとおり、穴を右によけて歩く。すると、横を通るときに穴の下に谷が見えた。谷底には広い川が流れているようだ。アトラスは、水の音が聞こえる気がして耳を澄ましたが、案外遠いのかその音を聞くことはできなかった。
 しかし、先に進むうち、気のせいと思っていた水の流れる音が、明らかにはっきりと聞こえ始めたのだった。そして、広い洞窟に出ると水の音は物凄い轟音になって、洞窟の壁に響き渡っていた。空気も、冷たく湿度が高くなったようだ。小さな水しぶきが幾つもランタンの光に照らされて踊っていた。
 ゲーンが、大きいランタン(恐らく以前「ポットのようなもの」と呼んでいたもの)をつけると、辺りがパッと明るくなり、洞窟の様子が明らかになった。なんと、洞窟の中に大きな滝があったのだ。数キロメートル上空から、さらに10倍くらい下にある谷底へと続く大きな滝だ。ランタンで照らし出されたその滝は、まるでクリスタルのように輝いていた。
 彼らは、滝の裏にあるトンネルへ向かって歩いていった。そして、滝の真裏に来たとき、ゲーンがキラキラと水の流れる岩棚へランタンを掲げて見せた。それを見て、アトラスはハッと息を呑んだ。水の中に細長い虫のような透明な魚がたくさんいたからだ。その魚は、ヒレも尾も透き通って見える。忙しなく動き、岩の間の溝を通って、ピシャピシャと音を立てながらジャンプをして降りていく。
「なんなの、あれ」
「サラマンダーだ。この辺りのコオロギや、クモ、ヤスデ、魚なんかを食べて生きている。奴等は、洞窟でしか生きていけないんだ。しかも、気づいたか、奴等は目が見えないんだ」
 
 それから下り坂が長く続いたが、やがて上りに変わって行った。道は、だんだん緩やかになっていったが、突然大きく右に曲がり、さらに広いトンネルに続いていた。そこまできて、アトラスは驚いて息を呑んだ。再びドニの道へ出てきたのだ!完全な円筒形を保って、道は闇の先へと続いている。
 アトラスは、後ろを振り返ってから初めて、なぜ今までドニの道を外れて歩いてきたかを理解した。陥没したのか、道がふさがれて通れなくなっていたのだ。だから、今まで遠回りをしてここまで出てきたという訳なのだ。
 その事実に気づいたとき、アトラスはゲーンがノートに描いてある図を見ていたこと、そして彼の瞳にほのかな不安が見え隠れしていたことを思い出した。そして、どうやってここまで何とかたどり着けたんだろうと思った。抜け道を見つけるまで、暗闇の中でひたすら道をたどって手探りで進んで行ったのだろうか。
「アトラス!」
 気がつくと、ゲーンはもう10メートルほど先を行っていた。
「すぐ行く!」
 そう答えながらも、アトラスは、数年前にゲーンが始めてドニへ行った時の事を想像していた。地中深い闇の中で、一人で、まったくの一人ぼっちでこの道を手探りで進んで行ったゲーン…。そう考えると、アトラスは父の勇気に深い尊敬の念を感じたのだった。

  1. 2006/10/29(日) 10:40:23|
  2. アトラスの書
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元「かもめのどーんと言ってみよう」をやっていた「かもめ」改め「青島」です。
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